経済学科 准教授 得田雅章
本研究では、金融不安が囁かれた時期を含め、金融政策の有効性と限界について構造VAR モデルによる実証分析を進めてきた。 実証結果から、流動性選好の変動による影響度が大きいことがわかった。これは富の資産間代替性の大きさ、およびベースマネーが期待利潤の代理変数として考えられる銀行業株価指数の減少関数として示された結果からである。近年の金融環境の変化、特に90 年代後半以降の金融不安の高まりや金融資産間の代替性の上昇により、元来主観性の高い流動性選好がその流動性をより高めているものと考えられる。 なお、GDPギャップ推計では、コブ・ダグラス型ならびにCES型の生産関数を利用することにより、景気基準日付との連動性でみて妥当な定量化が図られた。
研究成果発表の時期と方法
・「金融政策の効果:日本のデータを用いた実証分析」、『金融・通貨制度の経済分析』(早稲田大学現代政治経済研究所研究叢書)早稲田大学出版部、pp.93-122、2008年
・ 「GDPギャップの推計」 、滋賀大学 彦根論叢No.375、pp.65-83、2008
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