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平成24年度リスク研究センター助成研究報告 1202

自然災害に対する復興のリスクと経済政策のあり方

経済学科教授 鈴木康夫  

自然災害の影響と経済政策の第一の研究範囲の理論分析として、まず、標準的なシンプルな短期マクロ経済モデルを構築し、動学的なAD-AS均衡の(存在と一意性などの)特徴化と比較静学分析結果が得られた。次にマクロ経済的な緩和政策はインフレを刺激するが有効であることが確認された。さらに、自然災害のインフレ刺激効果と、潜在的な完全雇用産出量水準を増大させることあるいは自然失業率を低下させることは、マクロ経済緩和政策をいっそう有効にするということ(など)が論証された。これらの分析結果は結論としてだけ見れば予想可能な、かなり平凡な内容である。
第二の研究範囲の理論分析では、分析済みのその(標準的なシンプルな)短期マクロ経済モデルに、適応的期待調整の動学的方程式を加えることで期待調整を伴う短期モデルを構築し、これを中期的な分析と捉えることで分析し、その期待調整に伴う動学的なAD-AS均衡の動学的調整過程が動学的に安定であることが論証された。
また、その期待調整均衡を中期的な均衡として扱い、この均衡の(存在と一意性などの)特徴化と比較静学分析結果も得られた。次にマクロ経済的な緩和政策はインフレを加速するが有効であることが確認された。さらに、自然災害のインフレ加速効果と、潜在的な完全雇用産出量水準を増大させることあるいは自然失業率を低下させることは、マクロ経済緩和政策をいっそう有効にするということ(など)が同じく論証された。これらの分析結果も結論としてだけ見ればやはり予想され、かなり平凡な内容といえる。
第三の研究範囲としての長期理論の再検討では、シンプルな経済成長モデルを用いて、政府の予算制約が存在するときの自然災害発生後の復興政策が最適経済成長問題として分析され、その最適成長経路の特徴化と比較静学分析結果が得られた。特に、最適な復旧政策としての最適成長経路について特徴化や比較静学の明確な研究結果が得られた。

【研究成果発表の時期と方法 】
予定の研究作業が結局かなり遅れたので、早くても平成25年の晩秋以降から、(複数の)論文として作成を終えたものを順次、『彦根論叢』等の学術雑誌へ投稿する。しかし論文の作業や出来次第で、その一部は数年後の発表となるかもしれない。


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