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特任教授 小田野純丸
多くの発展途上国が経済成長を展開する段階で直面するリスク要因は数多く認められている。その中でも、最も関心を集めているのが為替レートの安定確保と対外収支の均衡の維持に向けた取組である。今世紀に入って、先進工業国に限らず、新興工業国についても国際資本の動きが大きく関わりを持つようになっている。それは、資本市場が巨大化してことから、資本の流出入が様々なリスク要因に敏感に反応する傾向があることに起因している。従って、多くの国はバランスのとれたマクロ経済運営に努め、特に為替レートの安定には慎重な対応を見せている。本研究は、為替市場圧力(Exchange Market Pressure)モデルを使い、東アジア諸国の為替圧力を計測し、それぞれの国がどのような状況に置かれてきたのか、どのような政策対応措置を講じてきたのかを比較衡量する作業を展開するものである。
【研究成果発表の時期と方法 】
まず、ベトナムについてはハノイ国民経済大学の英文雑誌に投稿する準備を進めている。引き続いて、ほかの東アジア諸国の比較研究成果はリスク研究センターのワーキングペーパーに掲載し、その一部をアジア関係学会誌に投稿する計画である。