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平成26年度リスク研究センター助成研究報告 1401

企業結合における偶発事象の会計処理
―論拠の一般性・強固性の検証―

会計情報学科准教授 赤塚尚之  

企業結合の会計処理(IFRS第3号)は、取得時点において、(一部の例外を除き)すべての負債を「公正価値」によって測定することを原則と定めている。このような規定の提案に際し、IAS第37号が対象とする負債項目の会計処理に変更の必要が生じ、国際会計基準審議会(IASB)は「負債プロジェクト」をつうじた規定改正、さらには新規のIFRS策定に向けた活動を行ってきた(現在は中断)。つまり、企業結合会計における提案が、負債の会計処理の変更を促すきっかけとなったわけである。
本研究は、企業結合における論理が、IAS第37号をはじめとする企業結合以外のシチュエーションにどのような影響を及ぼしうるのか、つまり、(1)企業結合における論理が一般性・強固性を有したものであると認められ、IFRS第3号に準じてそれぞれの基準を改訂していくべきであるのか、(2)企業結合における論理は企業結合に固有の論理であり、他基準に及ぼす影響は限定的であるのかという問題意識を形成した。
本研究は、負債会計の検討に際し、どの程度企業結合の論理が取り入れられようとしているか(言及されているか)、主としてオーストラリア会計基準審議会(AASB)のOccasional Paper(Liabilities-The Neglected Element: A Conceptual Analysis of the Financial Reporting of Liabilities)の解題をつうじて確認した。結論をいえば、企業結合における論理は、将来キャッシュアウトフローを生むバイナリーな事象(ある事象の結果が2つしかない)において、その期待値を適用する論拠として肯定的・積極的に用いることができる可能性があると認められる。また、企業結合における論理は、上述(2)のとおり、固有の論理としての側面がより強いというのが、本研究から導かれた暫定的な結論である。
 
【研究成果発表の時期と方法 】
彦根論叢404号または研究年報により公表する(現在、文字数制限等をめぐって、編集委員会にて協議中である)


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