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平成30年度 20181018 環境経済セミナー

リスク研究センターでは、平成30年10月18日(木)、日引 聡 氏(東北大学大学院経済学研究科 教授/国立環境研究所 環境経済評価連携研究グループ長) をお迎えし、セミナーを開催いたしました。

 日 時:平成30年10月18日(木)16:10~17:10 
 会 場:滋賀大学 彦根キャンパス セミナー室Ⅰ(士魂商才館3F)
 演 題:『地球温暖化と農業部門への経済影響』
 講 師:日引 聡 氏(東北大学大学院経済学研究科 教授/国立環境研究所 環境経済評価連携研究グループ長)  
P1040571.JPGP1040575.JPGP1040579.JPG □ 写真をクリックすると拡大します

【【講演者紹介】 日引聡氏(東北大学大学院経済学研究科教授)は、東京大学大学院博士課程満期退学され国立環境研究所研究員・主任研究員を経て、東京工業大学大学院准教授を兼務されました。その後、国立環境研究所社会環境システム研究センター環境経済政策研究室室長(2006年)、上智大学経済学部教授(2012年)の職を経て、現在は東北大学大学院教授および国立環境研究所環境評価連携研究グループ長(併任)をなされています。その間、国際的に著名なジャーナルに数多くの論文をのせ、また2018年度より環境経済・政策学会の会長にご就任なされました。この度は、まさに日本における環境経済学のトップ・オブ・トップのお一人である日引氏による最新の研究発表を拝聴する機会を頂くこととなりました。 【講演内容】 地球温暖化が世界の農業に与える影響についてはこれまでも数多くの研究がなされてきましたが、その影響がプラスであるのか、それともマイナスであるのかについては今もなお様々な意見が飛び交っています。今回の研究は、長期にわたる世界各国の統計データを用いて、①世界各国における気温と土地生産性の関係はどうなっているのか、②先の知見を気候モデルに当てはめると、どのような影響が世界の農業分野で将来生じうるか、③その農業分野での影響が国家間の相対的関係性(比較優位)を通じて国全体の経済にどのような影響を及ぼしうるか、をそれぞれ従来の研究枠組みを拡張しつつ解明することを試みるものです。  分析結果を大胆に要約すると、現在寒い地域にある国々は温暖化によって土地生産性が上昇する一方、すでに暖かい地域では温暖化によって土地生産性は低下するというものです。ただし、興味深い点は、土地生産性の上昇・低下は全世界的で経験するものなので、例えば、ある国の土地生産性が仮に低下したとしても、当該国の貿易相手国の土地生産性がさらに低下するならば、温暖化の農業部門へのネガティブな影響は緩和・吸収され、むしろ輸出を通じて国家経済としてポジティブな影響が発現しうるということです。温暖化の影響を経済的に評価することはそう簡単ではないことを改めて私たちに気づかせてくれました。  余談になりますが、アメリカにとって温暖化は自国の農業にプラスの影響をもたらし、さらに国家間の比較優位を通じても国家経済にプラスに働くという結果でした。トランプ大統領が気候変動対策に積極的ではないのも極めて合理的な戦略なのかもしれません。                                     文責:経済学部社会システム学科 准教授 松下京平

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