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20190117 経済成長セミナー

リスク研究センターでは、平成31年1月17日(木) 堀 健夫 氏をお迎えして、セミナーを開催いたしました。

  日 時:平成31年1月17日(木)16:10~17:10 
  会 場:滋賀大学 彦根キャンパス 士魂商才館3F セミナー室1(大)
  演 題:第11回リスク研究センター主催 経済成長セミナー『Bubbles, Uninsured Risky Investment, and Endogenous Growth』
 講  師:堀 健夫 氏(東京工業大学 経営工学系 准教授)  
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【セミナー概要】
 堀健夫(タケオ)氏はご専門がマクロ経済学、特に経済成長論であります。今年度セミナーの大トリとなった今回、無保険リスク投資と内生的成長について、氏の研究成果をご披露頂きました。内生的成長といいますと、昨年ノーベル経済学賞を受賞したP. Romerに代表されるように、マクロ経済学の中でも主要なトピックの一つとされ活発な研究がなされている分野です。出席の先生方からも意見や質問が矢継ぎ早に飛び出し、熱を帯びたセミナーとなりました。
 定説によりますと、バブルが発生すると投資を押しのける(crowding out)とされます。しかし、堀氏らの研究は、条件次第では投資を誘引する(crowding in)場合もあるということを見出しました。こうした主張は、シンプルな経済成長モデルであるY=AKモデルの4つのパラメータに、たった一つのリスク(バブル)ファクターを組み込むことで得られます。それゆえ論理的にクリアカットであり、様々な応用分析に発展できる可能性を有するES細胞のようなモデルだと感じました。
 結論として、生産性が高く保険制度が未発展な状況においては、バブル発生を許容する経済の方が、バブルのない経済に比べてより高い(均衡)経済成長率を達成できると主張します。それはまた社会厚生についても同様であることを導き出しています。極力冗長な要因を排除し、5つのパラメータにも過度な"色"を付けず概念としての本質的役割を強調するという氏の分析スタイルは、基礎理論家として優れている証左と言えるでしょう(それゆえ、具体的事象との関連を問う質問に戸惑ったのは詮無いことです)。
 堀氏の分析ツールであるY=AKモデルは、現代マクロ経済学の世界的にスタンダードなテキスト"Advanced Macroeconomics (5th)"(こちらはD. Romer著)では第3章のごく一部に紹介されています。学生にとっては、労働力変数を含めたコブダグラス型生産関数がより一般的だと思われますが、労働力を短期的に一定とし分配率を1と仮定すれば、Y=AKモデルを簡単に導出できます。
 興味の対象に労働力人口を取り入れた場合、日本のような人口減少国にとって保険市場整備の程度とバブルはどのような関りを持つのでしょうか。このあたりが会場での質問者からの回答のカギでもあり、私自身興味のあるところです。
                                          経済学科 教授 得田雅章

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