経済学部

リスク研究センター

TOPリスク研究センター経済学部附属リスク研究センターリスク研開催イベント情報 ≫ 20181101 会計教育研究セミナー

20181101 会計教育研究セミナー

リスク研究センターでは、平成30年11月1日(木)、関西学院大学より、菅原 智 氏をお迎えして会計教育研究セミナーを開催する予定です。

  日 時:平成30年11月1日(木)16:10~17:10 
  会 場:滋賀大学 彦根キャンパス セミナー室Ⅰ(士魂商才館3F)
  演 題:『会計教育研究の最新動向』
 講  師:菅原 智 氏(関西学院大学 商学部・商学研究科 教授)  

P1040594.JPGP1040593.JPGP1040584.JPG

【講演概要】
 本セミナーでは,会計教育研究における最新動向が、会計教育実践の事例を交えて紹介された。
講演は (1) 会計教育・実務に対する文化の影響と、(2) 会計教育方法の効果に関する研究成果の紹介から構成されており、前者に関しては、国際比較や実験研究にもとづいて会計学習者・実務者の属する文化が日本人学習者の学習スタイルや実務家の監査判断に及ぼす影響が紹介された。 会計学習者の国際比較からはオーストラリア人が学習者自身の行動を通じて発見的に学習する傾向をもつのに比して、日本人学習者が他者(教員)からの知識伝達によって受容的に学習する集団主義的傾向をもつことが指摘された。他方で、日本の会計実務者の監査意見形成に及ぼす文化的要因を調べた実験研究からは日本の文化的要因から予想された監査判断の特徴は見られず欧米実務者に近いスタイルをもつという調査結果が紹介された。 これらの研究成果は日本における会計教育研修のプログラム設計に知見を提供するものであった。
 後者に関しては、アクティブ・ラーニングを会計教育に導入した事例における学習効果が紹介された。ゼミ単位で地域イベント・プロデュースに参加した事例では、お好み焼きの製作・販売企画を実行する模擬会社においてゼミ学生がイベント助成団体に対する会計報告書を作成するプロセスを通じて会計の機能をいかに理解したかが紹介された。  また、レゴブロックを活用した会計シミュレーションを導入した事例では設定されたシナリオの下で与えられた課題を解決しながら学習者が会計の基本的知識やスキルを修得し、それらの運用能力を高めたことが紹介された。
 同事例では、自動車メーカーによる新車モデルのデザインから製造・販売・財務諸表作成に至るシナリオが学習者に提示され「総製造コストを負担できる利益を獲得するには何カ月を要するか?」や「部品価格の下落は,企業の収益性にどのような影響を与えるか?」等の課題に取り組むことが要求される。
 レゴパーツは新車モデルの開発に用いる部品を示しており、各パーツに価格が表示されている。新車モデルの企画を貨幣額で把握させ、モデルに組み込むパーツ選択が設定された会計上の課題解決にいかに影響を及ぼすかを学習者に考えさせる工夫が用いられている。  氏の教育実践事例は教室で会計学習者の内発的動機を高め、学習主体となって能動的に専門知識を修得させるための授業設計に多くの示唆を与えるものであった。               文責:会計情報学科 教授 野田 昭宏


事務取扱:滋賀大学経済学部附属リスク研究センター事務局
e-mail: risk@biwako.shiga-u.ac.jp      
電話0749-27-1404 ・FAX 0749-27-1189