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平成29年度第9回 人類学セミナー 20171214

リスク研究センターでは、平成29年12月14日(木)、田村 光平氏をお迎えして、人類学研究セミナーを開催致しました。

  日 時:平成29年12月14日(木)16:10~17:10 
  会 場:滋賀大学 彦根キャンパス セミナー室(大)(士魂商才館3F)
  演 題:『文化進化研究の展開:文化多様性の定量化と形成プロセスの復元』
 講  師:田村 光平氏(東北大学 学際科学フロンティア研究所 助教)  


【講演概要】
 本セミナーでは、文化進化研究の基本的な概念・理論、そして田村氏自身の最新の研究が紹介された。経済学部の関係者にとっては、「文化進化」は決して馴染みのあるトピックではないだろう。しかし文化は、我々人間(ヒト)の振る舞いを理解する上で無視することのできない存在である。文化とは、大まかには、学習を介して人から人へ伝達される情報を指す。思えば我々人間は、周囲の他者から伝達される様々な情報の影響を受けて日々の意思決定を行っている。これは、どのような服を購入するべきか、どのような食品を買うべきかといった日常的な意思決定から、どういった分野の技術・知識を身につけるべきか、どういった商品開発に資源を投資するべきかといった、より長期的な意味合いを持つ意思決定まで多岐にわたる。こうした社会的影響は、巡り巡って様々な差異を集団間に生み出す。例えば、本稿筆者(竹村幸祐)が専門とする社会心理学の分野では、コミュニケーションのスタイルが日本とアメリカで異なることなどが知られているが、これは文化の影響で生じると考えられている。こうした文化の影響を理解することは、国際化する現代社会において喫緊の課題であるだろう。一方で、文化が生じるプロセスは複雑で、これをどう理論体系化するかは社会科学の長年の課題であった。田村氏の進める「文化進化研究」は、生物進化の理論・概念・分析ツールなどを援用することで文化を客観的に理解しようとする試みである。
 文化進化は、言うまでもなく壮大なテーマである。必然的に学際的なアプローチが必要となる。本セミナーでは先行研究の例として、考古学データ(例えば、土器の文様や矢じりの形状)の数量的解析と心理・行動実験を組み合わせた研究などが紹介された。田村氏はこうした学際的アプローチの重要性を明確に述べ、考古学研究の高速化と数理モデルに立脚した比較・コミュニケーションが必要であると主張した。その上で、田村氏自身の最新研究として、考古学データ(土器の輪郭)を定量的に解析し、伝播・変化のプロセスを推定した研究が紹介された。
 繰り返すが、文化進化は壮大なテーマである。まだまだ多くの謎(またはロマン)が残されている。多様な分野の研究者の協働が不可欠であるだろう。それを押し進めるための重要なステップとして、田村氏から最後に紹介されたのは現在構築中の解析機能付きデータベースであった。膨大な考古学データ(日本だけで年間1万件近い発掘があるという)が定量化され、それを解析できるシステムの構築を田村氏は進めている。田村氏はこのシステムを「みんなが使えるもの」にすることを目指されているという。これぞ、世代も国も分野も超えたコラボレーションに資する、重要な仕事といえるだろう。

(文責 社会システム学科准教授 竹村 幸祐)

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