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経済学部・菊池健太郎准教授の研究論文「Equity risk premiums across horizons and their link to inflation: A quadratic Gaussian approach」が査読付き国際学術誌「The North American Journal of Economics and Finance」に掲載されました。

経済学部・菊池健太郎准教授の研究論文「Equity risk premiums across horizons and their link to inflation: A quadratic Gaussian approach」が査読付き国際学術誌「The North American Journal of Economics and Finance」に掲載されました。

論文の概要

金融資産のリスクプレミアムとは、投資家がリスクを引き受ける対価として追加的に求める収益率を指します。投資期間ごとのリスクプレミアムを計測し、その特徴を明らかにすることは、資産のリスク特性を理解するうえで重要です。本研究では、株式のリスクプレミアムが、インフレ率の持続的な動きを示すトレンド成分や、変動性を示すボラティリティ成分とどのように関係しているのかを、確率モデルの推定により実証的に分析しました。
分析には、「2次ガウシアン資産価格モデル」と呼ばれる確率モデルを用いました。このモデルは、通常の金融環境に加え、名目金利がゼロ近傍で推移する超低金利環境も表現できる点に特徴があります。一方で、非線形モデルであるため、株式リスクプレミアムを解析的に表すことは一般に困難です。そこで本研究では、株式リスクプレミアムの近似解析式を導出し、数値実験により高い近似精度を確認しました。
さらに、米国の2000年1月から2024年11月までの金融・インフレ関連データを用いてモデルを推定し、株式リスクプレミアムとインフレ動学との関係を検証しました。その結果、期間全体では、短期の株式リスクプレミアムはインフレのボラティリティと強い正の相関を持つ一方、長期の株式リスクプレミアムは、長期の期待インフレ率と関連するインフレのトレンド成分と正の相関を持つことが分かりました。また、2020年以降は関係性に変化がみられ、ボラティリティと短期リスクプレミアムの関係は弱まる一方、トレンド成分と株式リスクプレミアムの関係が強まったことが明らかになりました。
本研究は、科研費(課題番号:25K05164)の支援により行われました。論文は、滋賀大学とElsevierの契約に基づき、無料で閲覧できるオープンアクセスとして公開されています。
論文URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1062940826000641