経済学部

経済学系吉田裕司教授の参画する研究チームの研究論文が、NBER Working Paper第32276号に公表されました。

photo 滋賀大学経済学系吉田裕司教授の参画する研究チームの研究論文 「 Invoicing Currency Choice: Strategical Complementarities and Currency Matching」 が、NBER Working Paper第32276号として4月1日に公表されました。

 研究内容は、以下の通りです。日本輸出企業が輸出をする際には、契約上に示す通貨(建値通貨)を選択することが出来ます。米ドル建て、円建て、現地通貨建てが代表的です。その通貨選択の決定要因は、(i)ライバル企業(同業者であったり、共通のマーケットで競合している場合)が選択している通貨と同じものを選び、(ii)また国際貿易の経験を積むにつれて輸入で用いる通貨と同じにする、という行動を取っていることを100万を超える取引データから統計分析によって示したものです。

 吉田教授は筆頭著者と責任著者であり、共同研究者として清水順子・学習院大学教授、伊藤隆敏・コロンビア大学教授、佐藤清隆・横浜国立大学教授、吉見太洋・中央大学准教授、吉元宇楽財総研研究との共同研究です。

 この研究論文は、初稿についてはWanyu Chung・バーミンガム大学教授と早川和伸・アジア経済研究所主任研究員から有益なコメントを頂き、第二稿についてはLinda Goldberg・ニューヨーク連銀上級副局長から貴重なコメントを頂き、改訂に改訂を重ねた第三稿となっています。

 ※NBERは、National Bureau of Economic Research (全米経済研究所)であり、主に北米の大学の研究者、およそ1,700名が研究員(research associate)として所属していて、1年間でおよそ1,200本もの研究論文が公表されます。(NBERホームページより)

 ※この研究は、科研費挑戦的研究(萌芽)「日本貿易企業の個票データを用いた国際経済分析」(22K18527)の研究支援を受け、吉田教授が財務省・財務総合政策研究所客員研究官として参画している研究チームの輸出入申告データを分析した研究成果です。