経済学部

【報告】「MacroFinance」国際ワークショップを開催:3月22日

photo  3月22日(金)13:00から彦根キャンパスにて、MacroFinance国際ワークショップ(言語:英語)が開催されました。報告者は次の5名で各自45分間の発表を行いました。

  1. Fabien Rondeau氏 (レンヌ大学、滋賀大学海外協定校)
  2. 井上俊克氏 (滋賀大学)
  3. 濱野正樹氏 (早稲田大学)
  4. 佐藤清隆氏 (横浜国立大学)
  5. Willem Thorbecke氏 (RIETI, 産業経済研究所)

  
 

photo  ワークショップでは、発表者以外にも学外(一橋大学、早稲田大学(2名)、富山大学、龍谷大学、京都産業大学、近畿大学)から7名の研究者が集われ、 本学からは新久章講師、吉田裕司教授が参加して、活発な議論が交わされました。
また、本学の経済学部の学生も7名が聴講して、質問を行う学生もいました。

以下が、研究報告内容の簡略です。

  1. Rondeau氏の共同研究は、為替レートの変動が各国の輸入価格に影響を与える時に、グローバルバリューチェーンや企業の建値通貨選択が及ぼす影響についての分析を行いました。特に、輸出国以外での付加価値が大きい場合には、為替レートからの影響が小さくなることを報告しました。
  2. 井上氏の研究は、月によって大きく値段の変わるような季節変動がある果物等の生鮮食品の価格指数や数量指数を、経済理論に基づいて正しく計算する方法について説明を行いました。
    特に、70年代後半から90年代にかけて生産技術の発展を背景として季節変動が小さくなっていることの報告を行いました。
  3. 濱野氏の共同研究は、発展途上国において貿易産業やサービス産業でマイナスの経済ショックが生じた時に、サービス産業への最適な財政支出を行うことで、経常収支危機がどの程度緩和されかを理論的に示せることを報告しました。
  4. 佐藤氏の共同研究は、日本の主要な産業の輸出価格が為替レートの変動から受ける影響が、円高期と円安期においては異なること、さらに円高トレンドか円安トレンドかによっても異なることを示す報告を行いました。
  5. Thorbecke氏の研究は、日本の主要産業の貿易において、輸出価格ならびに輸出数量が特に2010年以降にアジア向けにおいて、為替レートの影響を受けにくくなっていることを示しました。
    また、日本企業の海外進出に伴う国内生産の減少等についての分析結果を報告しました。
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