経済学部

彦根商工会議所寄附講義「世界遺産学」及び タイ国「世界遺産スタディーツアー」の実施報告会を開催。

 3月27日(金)、彦根商工会議所において、今年度から開講しました彦根商工会議所寄附講義「世界遺産学」の実施報告会が開催され、田中英明経済学部長及び真鍋晶子教授から報告を行いました。

報告会の様子
報告会の様子

 本講義は、彦根商工会議所様が取り組まれている「彦根城(およびその関連遺産)」の世界遺産登録活動支援の一環として、世界遺産登録を推進する環境の醸成とともに、地域の文化遺産としての彦根城への関心と理解を深め、リベラルアーツの視座を通じて、国内外の文化・自然遺産の保存と活用に貢献できる人材を育成することを目的としたものです。

 また、より多くの方に学んでいただけるよう、一般の方も受講できる「公開授業」として実施し、本学学生38名のほか、彦根市民9名や、遠くは東京など県外からの受講者10名を含んだ27名の学外の方が受講されました。

 講義は、世界文化遺産のみでなく、自然遺産、無形遺産、また、世界の記憶など関連の世界の遺産とされるものも取り入れ、日本そして世界の文化の価値とその保護の意義と重要性を理解していくとともに、地域づくり、観光政策、地域文化の保存と活用などを学ぶ機会も設け、特に、講義後半には、彦根城・城下町の現地視察と解説などのフィールドワークを実施し、彦根を肌で感じてもらいました。

 講義を通じて、文化や自然環境の普遍的な価値を理解し、世界遺産保護を通じて、国際機関の活動を身近に感じてもらいました。また、世界遺産登録のメリット・デメリットを学んだうえで、登録後の街づくりに資するビジョンも構想し、身近な地域の将来について考察し、地元で文化遺産の保存活用や知育づくりに積極的に取り組みことを指向する人材の育成にもつながったものです。

報告会の様子
報告者のみなさん

 一方、本報告会に先駆けて、世界遺産学を受講している本学学生のうち、成績優秀者3名に対し、地元企業の株式会社キントー様からのご支援により、9月2日から11日の間で実施した「世界遺産スタディーツアー」に参加した世界遺産学受講学生優秀者3名からの報告会も開催いたしました。選抜された経済学部2回生の松原ひかるさん、河田みなみさん、経済学部1回生の藤原晋作さんは、10日間行われたツアー内容を分担し、それぞれの視点で、また、若い感性でとらえた世界遺産を説明され、雑誌や写真などでは得られない生の世界遺産への感想と述べられるとともに、すぐそばにある彦根城の世界遺産登録に関しても、非常に高い関心を持ってもらえました。

 彦根商工会議所様からは、2つの報告会を通じて、本講義が大変有意義であったとの高評価を頂くとともに、世界遺産を「保存」→「活用」→「収益」→「保存」とする経済循環はSDGsにつながるものとして、今後も多くの方々に本講義を受講していただき、彦根の魅力を発信できる知的学生ガイドの創出や都市政策、まちづくりを牽引できる人材を育成してほしいとの大きな期待が寄せられました。

かもんちゃん
公式キャラクターカモンちゃん

 なお、令和2年度における本講義につきましては、特に、昨年発生したパリ・ノートルダム大聖堂、首里城の焼失を視野に入れ、文化、遺産の破壊と修繕、保全、さらに継承を主眼のひとつにおいて実施していく予定としておりましたが、新型コロナウイルス感染防止の観点から、実施を見送ることといたしました。

 今後の状況にて、開講できる運びとなりましたら、改めてHP等でご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。


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