経済学部

御崎経済学部教授が国際ワルラス学会副会長に就任しました

-御崎教授のコメント-
御崎教授  このたび国際ワルラス学会(Association Internationale Walras)の副会長(vice-presidente)に就任しました。この学会は、スイスとフランスを拠点とした学会で、日本人がこの学会の副会長に就任するのは初めてです。2年後には会長に就任し、次の大会を日本で組織する予定です。
 このような重要な国際学会での責任あるポストを与えられたことは、私個人にとって、もちろん名誉なことでありますが、滋賀大学の名を世界に知らしめることに少しでも貢献できたことを、とても誇りに思っています。
 国際ワルラス学会の創設は1997年で、比較的新しい学会ですが、世界の名だたるワルラス研究者が集う、大変刺激的な学会です。ワルラスが、現代経済学の出発点である一般均衡モデルの創設者であり、そのモデルが20世紀以降、目覚しいテンポで発展してきたことは、周知の事実ですが、その一方で、ワルラス自身の著作の研究については、必ずしも十分には行われてきませんでした。この学会は、このような状況を踏まえて、ワルラス研究の新たな発展を目指して設立されました。
 初代会長は、今年度、北米経済学史学会(HES)のDistinguished Fellowにも選ばれたドナルド・ウォーカー教授で、第1回大会は1999年にパリで、ノーベル経済学賞受賞者のジェラール・ドブリュー教授を招いて行われました。今年の9月にスイスのローザンヌで開かれた大会は、第5回目にあたります(写真はそのパンフレットです)。 会員は、フランス人、スイス人、アメリカ人、オランダ人、イタリア人、日本人など、多くの国々からの出身者で構成されています。学会の公用語は、フランス語と英語ですが、時にはイタリア語も飛び交います。報告者の多くは、経済学史、思想史研究者ですが、理論経済学者の報告も歓迎しています。
 日本の経済学界はこれまで、森嶋通夫教授や根岸隆教授など、ワルラス理論研究の第一人者を世界に送り出してきました。私は日本人としてそのような伝統を誇りにしつつ、今後のワルラス研究の世界的な発展にすこしでも貢献できればと、考えています。
                                       経済学部教授 御崎加代子