経済学部

1月20日、葛山先生の最終講義が行われました。

「理論・技術・製品・芸術の世界を歩いた私の人生」
   日 時:1 月20 日(月)4限
   場 所:校舎棟2階、15番教室


葛山先生最終講義  葛山先生は電電公社(現NTT)においてデータ通信部、伝送部に在籍され、全銀システムや光ファイバーの伝送路網オペレーションシステム開発に携わって来られました。そして、平成3年より本学経済学部で教鞭をとっていただくようになりました。

 この最終講義では、葛山先生が歩まれた理論・技術・製品・芸術の世界について解説されると共に、人との関わりにより先生が成長されていったことが語られました。第二次大戦で、義理の叔父にあたる方が特攻隊で亡くなり、伯父がガダルカナルで部隊の補給路が断たれ、苦労して逃げ延びたことを小学生のころに聞かされたそうです。中学で時間の大切さを自覚し、勉強に励むようになり大阪大学に進学されました。大学では、後にシャノン賞を受賞する嵩忠雄先生に師事されました。大学院進学後はDECのOS解読といった難作業をこなし、電電公社の池野信一先生や京大の長尾先生、東工大の片山先生に注目されたということです。

梅澤学部長  その後、特許立案にも関わり、電電公社の横須賀研究所に就職、データ通信部に配属され、全銀システムに導入されたDCNA仮想端末仕様を作成されました。また、マイコンソフト開発支援システムの開発リーダに成られたときには、現在の携帯電話の原型である自動車電話システムの開発を支援されました。さらに、アップルのiStoreに18年先駆けオンラインソフト流通システムを開発されました。その後、伝送部門に移籍し、伝送路網オペレーションシステムの開発を行い、NTT社長表彰を受けられました。滋賀大学に移られてからは、リレーショナルデーターベースの正規化手法が実際のシステムではあまり用いられていないことに着目し、非正規形でも不整合が起こらないための必要十分条件を示されました。

葛山先生最終講義  近年は写真に興味をもたれ、またいくつかのクラブの顧問、英語多読図書の普及への貢献といった広い活躍をされています。本講義を通じて先生は、弱い立場の人へのいたわりがめぐりめぐって自分に返ってくること、日本人が礼儀正しくお互いが助け合うことが必要であることを強調されました。講義はあっという間に終了し、葛山ゼミ1期生から花束贈呈と滋賀大学勤続への謝意が示され、参加者から名残を惜しむように喝采が贈られました。