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11月9日、リスク研究センターでは、ベトナムハノイ国民経済大学からグエン ニュ ビン博士をお招きして、ベトナム経済の現状と課題についてセミナーを開催しました。
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ハノイ国民経済大学のビン博士によるセミナーが11月9日に開催された。論題は『ベトナム経済の近況と投資リスク』であった。セミナーには学生を主体に30名以上の参加を得た。ベトナム経済は、中国やブラジルに続く新興工業国グループの一つとして注目を集めている。ビン博士は直近のデータを使ってベトナム経済の近況を紹介し、次いで、海外からの投資家が懸念する主要なリスク要因について具体的事例を使いながら解説を行った。改革開放政策(ドイモイ)が導入されて以降、ベトナムは貿易の拡大と海外からの投資を積極的に組み入れた政策を進め、目覚しい成長率を記録してきている。昨今の国際金融危機に対しても他国より上手く乗り越えたことから、自由化を基調に置いた成長政策について自信を持って望むのではないかと見込まれている。実際、国際機関の成長見通しは東アジアの中でも中国に次ぐ高い水準を予想している。そのためには、ベトナム政府は直接投資の受け入れを更に拡大させていく必要に迫られている。特に、ベトナム政府内ではインフラ投資に対する期待が高まっている。ビン博士の所見は、国際機関による予想成長率を引き合いに、少なくとも現状の成長ペースが持続していく可能性が高いと指摘している。同時に、ベトナム経済が内包するリスク要因について客観的に解説を行った。政府系企業向け債務が主部分を占める公的債務が高まっていること、インフレ・リスクが懸念されていること、汚職や不正の払拭は依然として政府の主要課題となっていることなどを指摘している。ビン博士の説明は、具体的数値や事例を織り交ぜてベトナム経済の現状と問題点を要領よく解説するものであった。質疑応答では、教員と学生から積極的な質問が投げかけられ活発なセミナーとなった。(文責:小田野 純丸)
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