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この度、リスク研究センターでは、ベトナムハノイ国民経済大学のグエン ニュ ビン博士を招聘、またベトナム計画投資省グエン テ フオン副大臣ご一行様の来日を機に、関西経済連合会とベトナム投資セミナーを企画、開催いたしました。
日 時:2010 年11 月11 日(木)14:00‐16:00 場 所:関経連 29 階会議室 (大阪市北区中之島6-2-27 中之島センタービル) |
佐和隆光滋賀大学学長挨拶 | グエン・テ・フォン計画投資省副大臣挨拶 |
ド・ニャット・ホアン外国投資庁長官講演 | 国民経済大学のグエン・ニュ・ビン博士講演 |
【セミナー概要】
11月11日、ベトナム経済と投資に関するセミナーが大阪で開催された。リスク研究センターと関経連との共催によるセミナーで、大阪商工会議所、ジェトロ、ベトナム投資計画省と総領事館、関西日越協会の共催・後援を受けて準備されたものである。ベトナムからはグエン・テ・フォン計画投資省副大臣、ド・ニャット・ホアン外国投資庁長官が参加された。冒頭、主催者側の挨拶と、フォン副大臣によるセミナーに期待するメッセージが寄せられた。佐和隆光滋賀大学学長の挨拶は、日本の高度経済成長時を回顧するとき、産業連関の波及メカニズムが重要な役割を果たしたことを取り上げた。産業の高度化に向けた取組みの一例として、ベトナム経済の成長政策にとっても参考となる視点を提示された。
講演では、まずホアン投資庁長官がベトナムへの外国投資に関する新たな法制と政策について詳細に講演を行った。外国投資をこれまで以上に受け入れるために必要な優遇措置の紹介と、重要視している産業分野や地域配分に関わる政策について詳細な報告があった。次いで、ハノイ国民経済大学のグエン・ニュ・ビン博士が、ベトナム経済の最近時点の成長分析とベトナム経済が直面しているリスク要因について解説を行った。貿易と投資の成果に高い評価が与えられている反面、国際研究機関による国の開放度の検証ではベトナムは著しく低い評価しか与えられていないことを指摘した。それに関連する理由として、効率性の改善が低迷していること、依然として主要産業活動を抑えている政府系企業の存在が深く関わっていることを指摘した。民間企業がより大きな活動展開をすることによって、経済の効率性の改善が進み社会の不公正を抑制させられるという議論を展開した。最後に、ベトナムの工業団地を開発し管理運営を担当しているBECAMEX社の担当者から一つの工業団地プロジェクトが紹介された。ベトナム南部のビンズン省政府と共同で展開している工業団地事業で、インフラ条件が完備しつつある事例として説明がなされた。 セミナーは参加希望者が110名を数える盛況で、セミナー終了後もベトナム投資を予定しているビジネスマンから講演者に個別の質問が多数寄せられた。『チャイナ・プラス・ワン』として注目を集めているセミナー課題であったことから、ベトナムに向けた関心と意識が参加者間で高かったことが伺える。セミナーは、単にベトナム経済の情報を提供するばかりでなく、リスク視点からの研究成果が求められていることを知る機会となった。(文責:小田野 純丸)
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