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リスク研究センターでは、平成26年2月28日(金)、下記ワークショップを開催しました。
日 時:平成26年2月28日(金)14:30~16:30 会 場:滋賀大学彦根キャンパス 第2校舎棟5階545共同研究室 演 題:相似拡大的頑健効用と2ファクター・アフィン・モデル に基づく消費と株式指数・全満期国債投資の多期間最適化問題 における2種類の近似解析解 報告者:楠田浩二氏(滋賀大学経済学部教授) |
【講演概要】
世界金融危機時に先端的金融管理技術を誇ってきた欧米の金融機関が多大な損失を被ったことから、「ナイトの不確実性」下で「最悪確率」を考慮した頑健最適運用の必要性が改めて強く意識されています。一方、長期投資を行っている生保等の機関投資家は、保険債務等の長期固定債務を履行する為に短期から超長期までの国債を中心とする運用を行っています。
本WSでは、「最悪確率」を想定した「相似拡大的頑健効用」を所持する投資家が株式指数と全満期の国債を投資対象とする、消費と投資の多期間最適化問題が報告されました。証券市場モデルとして、景気循環リスクに加え長期停滞リスクを捉える為、短期金利と平均金利を状態変数とする2ファクター・アフィン・モデルが仮定され、最適ポートフォリオの近似解析解が確率制御により導出される過程が解説されました。
聴衆との議論に際し、金融機関ではVaR等の一期間モデルにおける「標準確率」下の最悪シナリオが想定されてきましたが、これは世界金融危機時に機能しなかった ので、これからは本報告のような多期間モデルにおける「最悪確率」下の「最悪シナリオ」を想定したリスク管理が必要であると主張されました。(文責:楠田浩二氏)
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