経済学部

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令和5年度 研究助成報告書

(助成期間が満了された報告書を掲載しています)

  • 受付No:2205
  • 研究者名:府内 直樹
  • 研究名称:意思決定者の多様性、交流様式の多様性が戦略的状況における意思決定者の学習に及ぼす影響について

研究成果の概要 

 本研究では、意思決定者の多様性が学習する意思決定者(学習者)の長期的行動にどのように影響を及ぼすかを考察した。

ゲーム理論における学習理論では、同質の学習者同士がゲームをプレイする状況が主に考察される。

 本研究では、学習者が行動を見直さない意思決定者(非学習者)と交流する可能性がある場合、非学習者が学習者の長期的行動にどのように影響を及ぼすかを理論的に分析した。特に、Stochastic fictitious play学習モデルとExperience-weighted attraction 学習モデルを含む学習モデルに注目をし、学習者と非学習者間の交流確率と学習者の長期的行動の関係を明らかにした。特に、もし各学習者が他の学習者と交流する確率が十分低い場合、非学習者の従っている均衡に学習者の行動が概収束することを示した。

 また、もし各学習者が他の学習者と交流する確率が十分高い場合、非学習者が従っている均衡とは別の均衡に学習者の行動が収束する確率が正であることを示した。


  • 課題No:2201
  • 研究者名:森 宏一郎
  • 【共同研究者】京井尋佑( 京都大学大学院農学研究科博士後期課程/滋賀大学客員研究員
  • 研究名称: 社会的相互作用による環境配慮行動の増加:ネットワーク・モデルを用いた効果的介入の検討

  研究成果の概要 

本研究は、社会的ネットワークを通じた環境配慮行動の伝播メカニズムの解明を目的に研究を実施した。第一に、pythonシミュレーションにより、仮想的な社会的ネットワーク上での人々の環境配慮行動の変化メカニズムを分析し、環境政策の効果を評価した。査読付き国際学術誌に掲載済みである。

さらに、シミュレーションの対象とした6か国(アメリカ・中国・インド・ドイツ・日本・ブラジル)において、社会的ネットワーク上における人々の学習メカニズムを推定し、二酸化炭素排出データから環境配慮行動の度合いを推定した。結果として、6か国間で環境配慮行動の伝播の度合いは異なることが示された。同様の環境政策でも、各国の状況により効果は異なる。特に、学習メカニズムの分布が政策の効果に大きな影響を与えている。本研究成果は、現在、査読付き国際学術誌へ投稿中である。査読結果を受け、修正対応中である。

もう一つは実験室実験の準備作業であり、プレテストである。仮想的な社会的ネットワーク上で被験者の環境配慮行動が実際にどのように変化するかを観察する経済実験をデザインし、プレテストを実施した。プレテストの結果を受け、現在、経済実験の詳細を修正中である。


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