経済学部・大学院経済学研究科

滋賀大学経済学部 三ツ石郁夫教授の退職記念講演会が3月18日(木)に総合研究棟<士魂商才館>にて開催されました。

 三ツ石先生は、1996年に滋賀大学に着任され、経済学部長・経済学研究科長、副学長、理事を歴任されました。ご研究では、近現代ドイツ地域経済史、ドイツの産業革命研究や金融史を専門とされ、数多くの学術論文や著書を発表されています。長きにわたり、研究教育、大学運営にご尽力をいただきました。

 ご講演は「ドイツ経済史における地域経済・中小経営・地域金融機関」と題して、欧米諸国のなかでは19世紀中葉まで比較的に後発的資本主義国であったドイツが、20世紀以降に急速な発展を遂げたその要因を地域経済、中小経営、地域金融機関の3つの領域から論じられました。歴史的な一次資料を詳細に検証された先生のご研究から、私たちはドイツの経済発展の特質や地域経済の強さを学ぶことができました。またお話のなかでは、先生のご留学先であったハイデルベルクの街並みや滞在先の文書館の写真が映写され、ドイツの美しい風景を存分に味わうこともできました。

 ご講演後、参加者からは信用制度、地域社会、経済学説史、分析方法論、日独比較など広範囲でかつ多様な質問や意見をいただき、三ツ石先生のリプライやご見解が示されるなかで、歴史研究の醍醐味をあらためて知りました。

 会場とオンラインによる多くの参加者と共に、三ツ石先生のご退職を心よりお祝いし、また惜しみつつの退職記念講演会となりました。先生が今後取り組まれるとお話しされた戦後ドイツの社会経済発展の研究について、そのご報告の拝聴の機会が今から待ち遠しいです。

経済学部経済学科 山田和代

 

三ツ石郁夫教授
講演会の様子