経済学部では、2025年度夏季休暇学生懸賞論文の受賞者を発表し、12月22日(月)に士魂商才館セミナー室Iにて表彰式を執り行いました。今年度は7編の応募があり、2席が2編、佳作が2編という結果でした。
当日は、受賞者4名が全員出席(オンラインを含む)し、経済学部の能登真規子学部長より賞状と副賞が授与されました。能登学部長は祝辞で、「普段考えていることを論文として起こすというのはとても貴重な経験だったと思う。ますます研鑽を積み、これから卒業論文や修士論文へと研究を発展させていく中でより良いものができることを願っている」と述べました。

歓談の冒頭、経済経営研究所の田中英明所長からは、論文執筆を取り巻く環境に鑑みて「生成AIを真に使いこなすためには、人間自身が自分で論文を書けるという能力が実は今まで以上に必要になる。今回の応募が研究者および文章を書くプロに近づくための練習の機会となればうれしい」との激励があり、意欲的な取り組みに対し感謝の言葉が添えられました。
今年度の受賞論文は、音楽や図書館をテーマにしており、すべて「文化」を取り上げたものであったことが特徴的です。令和2(2020)年度にデータサイエンス学部の学生にまで対象を広げたところ、今年度初めて応募がありました。
自分の専攻と直接的な関連はないとしながらも、DS院生のひとりは、「論文上で一度ウェブを使ったデータ取得をやってみたいと思っていたので練習のためにプログラムを立てた。身近な媒体を検証する手法で、趣味でも突き詰めれば研究に生かせるということがわかった」と話しました。

もうひとりのDS院生は、「今年7月の報道で図書館や博物館の数、さらに司書や学芸員等の専門職員の数も過去最多であると知った。社会教育に従事する人口はむしろ減っているという感覚であったので意外に感じ、日々図書館を利用するひとりとして研究に結びつけた」と執筆の動機を語りました。
話題はサブカルチャー文化、推し活、音楽論へと広がりました。音楽の受容スタイルにも変化が見られ、「自分だけのお気に入りを探す」のではなく、流行っているから「取得する」傾向だと言います。経済学部生のひとりは、「曲や歌を聴くと言っても、そこには動画媒体、ダンスとの関連付けなどバズるための仕掛けが加わっている。『音楽そのもの』の評価は難しく自分も考察途上にある」と述べました。もうひとりの経済学部生は、「アーティストが顔を出さないことで、ファンにもっと『音楽そのもの』に集中してもらえる効果がある」との見解を示しました。

懸賞論文の募集は彦根高商時代の昭和4(1929)年度に始まり、滋賀大学経済学部の教育事業として引き継がれました。応募規程の最新版では過去の審査で指摘されたポイントをアドバイスとして反映させています。生成AI技術の進化に伴う活用や引用方法については、今後も情報が更新される見込みです。
歴代の受賞者の名前と論題は、経済経営研究所のホームページ「学生研究活動の広場」に掲載しています。また、受賞論文は経済経営研究所で閲覧することができます。
