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ベトナム経済の発展戦略と経済構造問題に関する研究報告と今後の研究論文作成に共同で取り組む企画を検討するため

経済学科 特任教授 小田野純丸
 滋賀大学での講演に引き続いて、11月11日には、ベトナム経済と投資に関するセミナーが大阪で開催された。リスク研究センターと関経連との共催によるセミナーで、大阪商工会議所、ジェトロ、ベトナム投資計画省と総領事館の後援を受けて実施された。ベトナム側からはグエン・テ・フォン計画投資省副大臣、ド・ニャット・ホアン外国投資庁長官が参加した。
 講演では、まずホアン投資庁長官がベトナムへの外国投資に関する新たな法制と政策について詳細に講演を行った。外国投資をこれまで以上に受け入れるために必要な優遇措置の紹介と、重要視している産業分野や地域配分に関わる政策について詳細な報告を展開した。ハノイ国民経済大学のグエン・ニュ・ビン博士は、ベトナム経済の最近時点の成長分析とベトナム経済が直面しているリスク要因について解説を行った。貿易と投資の成果に高い評価が与えられている反面、国際研究機関による国の開放度の検証ではベトナムは著しく低い評価しか与えられていないことを紹介した。そこには、低迷する効率性の改善、依然として主要産業活動に大きな影響力を持つ政府系企業の存在などをリスク要因の事例として指摘した。研究成果の要点は、民間企業による活動展開の拡大によって、経済の効率性に改善が進むと期待されることから社会の不公正を抑制させられるという指摘に見ることができる。
 学内の講演会と学外のセミナーには多数の参加者を迎えることができた。そこには、『チャイナ・プラス・ワン』として注目を集めている演題ということで、ベトナムに向けた関心と意識の高まりがあったことが伺える。一連の日程を通じて、単にベトナム経済の情報を提供するばかりでなく、リスク視点からの研究成果が求められていることを知る機会となった。研究テーマの絞り込みに大いに役立った招請事業であった。

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