金融不安定性とそれを抑止する政策等に関する基礎理論研究

　世界的な金融危機により、Minsky の金融不安定仮説は注目を集めている。他方で、金融不安定性を抑止する政策等の理論的検討は散発的なものに留まっている。本研究では金融不安定性に関する理論的研究を発展させ、金融不安定性を抑止する政策等の予備的考察を行った。
　実施計画を着実に実行し、以下の論文、DPを公表した。

1)「金融資産の蓄積と経済の構造変化」(本学得田教授との共著)CRR DP J-58を2016年8月に公表した。
2)既にDPとして公表している金融不安定性に関する基礎的研究の改定作業を行い、その改訂版を "Financial Structure, Cycle and Instability," CRR DP B-15として2017年１月に公表した。
3)CRR DP B-15を基に開放体系への拡張を行い、 "Financial Structure and Instability in an Open Economy," CRR DP B-16として2017年2月に公表した。同論文は、進化経済学会京都大会(京都大学)の企画セッション(招待)において報告した。(同年3月)
4)査読付論文"Financial Instability in Japan: Debt, Confidence, and Financial Structure,"(本学得田教授との共著) がResearch in Political Economyに掲載されることが決定した(2017年5月以降に刊行予定)
　今後は、上述の研究成果を学部、大学院の教育に還元していきたい。

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