この度、経済経営研究所未来社会研究部門によるプレ企画『放課後あそび場プロジェクト』が始動しました。
基礎体力やコミュニケーション力の向上に、運動遊びは欠かせないものでした。
ところが社会環境の変化により、放課後に子どもたちが体を動かす機会は減っています。
そこで、自由に運動遊びができるよう、放課後に滋賀大学のグラウンドを開放する日を作ろうと計画しています。
今回は、そのプレ企画として、9月22日に小学生を対象に鬼遊び、ボールゲーム、フライングディスク、うんてい、トランポリンなどを天然芝のグラウンドで一緒に楽しみました。
開催概要
場所:滋賀大学彦根キャンパスグラウンド(雨天の場合は体育館で実施します)
対象:小学生20 名(先着順)
参加料:無料(1 日スポーツ傷害保険込み)
講師紹介:小倉 圭(オグラ ケイ)滋賀大学経済学部講師
専門分野:ライフサイエンス / スポーツ科学
開催報告
近年、子どもが自由に運動遊びを行うことができる場所や機会が消失したことで、将来獲得すべき様々な運動やスポーツ動作の土台となる「多様な運動体験」が減少しています。その結果、子どもの基礎体力や運動能力の低下、さらにはスポーツの習い事化(エリート化、二極化)などが問題となっています。
このような社会課題の解決に向けて、経済経営研究所未来社会研究部門では、主に小学生を対象として、『放課後あそび場プロジェクト』を計画しています。本プロジェクトでは、学内の運動施設を無料開放し、子どもが自由に運動あそびを行うことができる場所を提供すること、そして基礎体力や運動感覚が自然と養われるような多様な運動プログラムを提供することを目的としています。来年度以降の本格実施に向けて、9月22日に本プロジェクトのプレ企画を実施しました。
当日は、主に地域の小学生や未就学児13名が参加しました。不安定な天候でしたが、本学の持つ広大な天然芝のグラウンドで無事開催することができました。本プロジェクトは、基本的に指導者があえて介入することはせず、子どもの自発性を尊重し自由に運動あそびを行います。一方で、多様な運動体験を積ませることや、子どもが楽しく取り組みやすいように、様々なあそびエリアをあらかじめ設定しました(トランポリン、ケンケンパ、うんてい、輪投げ、的あて、野球やサッカーなどのボール遊び、フライングディスクなど)。
子どもたちは、思い思いに様々なあそびを楽しんでいました。子どもたちは単に運動あそびを楽しんでいるだけですが、「あそび」はスポーツ科学や運動発達の観点からも非常に有効です。子どもの時期には特定のスポーツや運動のみを続けるよりも、動きの多様性のある運動あそびを行うことで、運動を調整する能力が養われます。その結果、日常生活で必要となる動きやとっさに身を守る動き、そして将来の専門的なスポーツ動作など、幅広い動きの獲得につながります。
また、活動の中では、異なる小学校や年齢の子どもたちが運動あそびを通して交流する様子が見られ、子どもの社会性の発達にも寄与することが期待されました。また、親子であそぶ様子や、補助として参加した大学生も一緒にあそぶ様子もみられ、大人や学生にとっても子どもと触れ合う貴重な時間となりました。
本プロジェクトは、継続して実施してこそ意義のあるものとなります。今回のプレ企画で明らかになった課題を踏まえ、今後の本格実施に向けて検討を重ねていく予定です。
(社会システム学科 講師 小倉圭)

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