経済学部

TOP経済経営研究所(ebrisk)■先端研究 ≫ 先端研究セミナー(20230620)

先端研究セミナー(20230620)

20230620.png

日時:2023年6月20日(火)16:10-17:40

・表題:空間ビッグデータ時代の地理情報科学

・講師:花岡 和聖 先生(立命館大学文学部地理学専攻・准教授・立命館大学歴史都市防災研究所)

・開催様式:対面とZoomの併催

・開催場所:オンライン開催


セミナー概要

概要:地域特性を理解するためには、ローカルレベルでの空間データが必要となる。それに関連して、ここ最近の地理空間情報をめぐる大きな変化は、国勢調査をはじめとする公的統計の大規模マイクロデータと、携帯電話の位置情報や3次元建物モデル等の空間ビッグデータの登場に特徴づけられる。とりわけ後者は、「空間ビッグデータ革命」の幕開けと考えられており、新たな研究展開として期待されている。本セミナーでは、発表者がこれまでに取り組んできた①空間的マイクロシミュレーション法を用いた小地域別人口マイクロデータの生成、その後に続く、②公的統計の調査票情報を活用した外国人集住地・人口移動の分析、③携帯電話の位置情報を活用した街頭犯罪の分析及びコロナ禍の人々の移動の可視化に関する研究について順に紹介することにしたい。

 

キーワード:地理情報システム、ビッグデータ、位置情報、公的統計(調査票情報)、可視化、外国人、街頭犯罪


講演概要0620.png

 地域特性(例えば、高齢者率)を的確に把握することは、災害対策・犯罪予防・感染対策まで、実に広範なトピックで重要な課題である。しかしそうしたデータは容易に入手できるものではなく、種々の計算手法による推定を必要とする。同時に、ここ最近の「空間ビッグデータ革命」は、適切に扱うことでこうした種々の課題に新たなブレイクスルーをもたらす。本セミナーでは、そうした研究分野をリードする花岡和聖先生に、研究内容を紹介していただいた。内容は多岐にわたり、小地域別人口マイクロデータの生成方法から、街頭犯罪の分析、コロナ禍での人々の移動の可視化に関する研究まで含まれていた。地理情報の分析から検討できるトピックがいかに幅広いかを示している。同時に、花岡先生の研究では生態学の分析手法も導入されており、幅広い問題に取り組むには柔軟なアプローチが必要となることを物語っていた。この柔軟性が、幅広い分野にインプリケーションを持つ花岡先生の研究に結実したと思われる。

 セミナーのオーディエンスも幅広かった。筆者が把握できただけでも、データサイエンティスト、経済学者、経営学者、心理学者まで多様であった。質疑応答時間にはこうした多様なオーディエンスから熱を帯びた質問が多く寄せられた。地理情報科学という分野が、他の多くの分野の研究者を惹きつける様がよく感じられた。

(文責:経済学部教授 竹村幸祐)


本ページに関するお問い合わせは

滋賀大学経済経営研究所
TEL : 0749-27-1047 /FAX : 0749-27-1397

E-mail:ebr(at)biwako.shiga-u.ac.jp ★(at)を@に変更して送信してください。