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第1回先端研究セミナー(20201008)

・日時:2020年10月8日(木) 10:30~12:00

・表題:「経営学における新しい概念の提案:パレーシアとパレーシアステース」

・講師:伊藤 博之先生(大阪経済大学)

・開催場所:オンライン開催


 【概 要】

 本報告では、現在進行中の自身の研究プロジェクトを題材にして、経営学研究の背後にある思考プロセスを例示するとともに、新しい概念を提示することに伴う危険性や面白さについて論じる。

 具体的には、フランスの哲学者ミシェル・フーコーが提示したパレーシアやパレーシアステースという概念を用いて、既存の企業統治論と企業家研究における問題点を明らかにするとともに、その解決方法を提案する。

パレーシアとは、当然される社会のあり方とは異なる真理を見出した者がリスクをとってその真理に基づいて発言し、行動することである。パレーシアステースとは、自己を統制しそうしたパレーシアを貫く者のことである。この2つの相互に関連する概念は、知、権力、実践、主体などに関するフーコーの思想を統合する蝶番の役割を果たす。経営学者には馴染みのないこれらの概念が、企業統治論や企業家研究に視点の転換をもたらすことが本報告の結論となる。 


【セミナー報告】

 コロナ禍で遅れに遅れた当研究所第1回目の先端研究セミナーでありますが、ようやく開催にこぎつけました。
講師の伊藤先生は昨年度まで本学に奉職されていた方です。大阪経済大学に移られてからも、組織統治論、統治性、経営者と徳、3M、組織イノベーションといった幅広いテーマでご研究に取り組まれ、その内容はいくつもの科研費に採択されていることからも優れたものであるとわかります。今回は「経営学における新しい概念の提案:パレーシアとパレーシアステース」というタイトルでご報告いただきました。
 経営学研究の背後にある思考プロセスを例示するとともに、新しい概念を提示することに伴う危険性や面白さについてご紹介いただきました。
具体的には、フランスの哲学者ミシェル・フーコーが提示したパレーシアやパレーシアステースという概念を用いて、既存の企業統治論と企業家研究における問題点を明らかにするとともに、その解決方法を提示していただきました。
 そもそもパレーシアとは何か。それは、当然とされる社会のあり方とは異なる真理を見出した者が、リスクをとってその真理に基づいて発言し、行動するということです。またパレーシアステースとは、自己を統制するパレーシアを貫く者のことです。両者の相互に関連する概念は、知、権力、実践、主体などに関するフーコーの思想を統合する蝶番の役割であり、経営学者には馴染みのないこれらの概念が、企業統治論・企業家研究視点の転換をもたらすという主張を解説していただきました。
 報告後は、現実に存在する企業との関連や、パレーシアであることをどうやって識別したらよいのかという、経営学・経済学両面からの多様な質問が挙がり、伊藤先生の卓見をうかがうことができました。

(文責 ファイナンス学科 教授 得田雅章)