日 時:2025年1月22日(水)15:30-16:50(80分)
- 表題:『高次元線形回帰モデルにおける統計的推測』
- 講演者:新久 章(本学経済学部講師)
- 会 場:滋賀大学彦根キャンパス、士魂商才館セミナー室Ⅱ
- 開催様式:対面とZoomの併催
- 参加対象:学内限定(滋賀大学の学部生、大学院生及び教職員)
- 参加申込:下記参照
今回のジョイントセミナーは、本学研究者が共同研究シーズを提供することを主な目的としています。
概 要
高次元線形回帰モデルとは、説明変数の数が標本の大きさよりも大きくなるような線形回帰モデルのことを表します。この場合、説明変数間に多重共線性が必ず生じるため、最小2乗推定量(OLS推定量)によって統計的推測を行うことができません。そこで、高次元におけるOLSの代替的手法として、debiased Lassoと呼ばれる方法が注目されています。本発表では、まずdebiased Lassoとはどのような方法なのか、LassoやOLS推定量との関係について触れながら解説します。その後、debiased Lassoに関する最近の共同研究の結果について報告します。
講演報告
今回のジョイントセミナーは学内研究者が共同研究シーズを提供することを主な目的として開催されました。
本学経済学部の新久先生に、共変量ベクトルの次元が標本数よりも大きい「高次元線形回帰モデル」の統計的推測について、ご講演頂きました。概要は次の通りです。
高次元線形回帰モデルでは、完全な多重共線性が生じ、積率行列が特異行列となる為、OLS推定量は構築出来ません。他方、Lasso推定量は構築出来ますが、バイアスが大きくなってしまいますので、同バイアスを補正するdebiased Lasso推定量が提案されています。
debiased Lassoでは、積率行列の「逆行列」の推定量がnode-wise Lassoという方法で構築されますが、共変量ベクトルの次元が標本数以下の場合、同逆行列が積率行列の逆行列と一致し、debiased Lasso推定量はOLS推定量となります。従来のdebiased Lasso推定量のバイアスをさらに小さくする方法が提案され、数値分析により同方法の有効性が示されます。
本セミナーには、対面11名・オンライン28名の計39名が参加し、活発な質疑応答が交わされる知的刺激の大きいセミナーとなりました。
共同研究シーズを提供するジョイントセミナーが有効であることが確認出来ましたので、今後も、共同研究シーズを提供するジョイントセミナーを積極的に開催してゆく所存です。
(文責:経済学部教授 楠田浩二)




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