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第5回 データサイエンス教育研究センター・経済経営研究所ジョイントセミナー(20210218)

※ 当セミナーは、新型コロナウィルス感染防止のための措置を講じたうえで、対面でのみ実施しました。事情によりオンラインでの配信は致しませんのでご了承ください。

【講師紹介】

1945年、滋賀県生まれ。ご専門は労働経済学、経済思想、現代経済史・日本経済論。京都大学経済学部卒業、マサチューセッツ工科大学大学院修了(Ph.D. in Economics)。大阪大学経済学部教授・学部長、国際日本文化研究センター所長、青山学院大学特任教授等を歴任。元日本経済学会会長。『経済思想』、『自由と秩序』、『戦後世界経済史』、『自由の思想史』、『自由の条件』、『文芸にあらわれた日本の近代』など著書多数。日経・経済図書文化賞、サントリー学芸賞、読売・吉野作造賞、桑原武夫学芸賞などを受賞。


【セミナー概要】

 ようやく猪木武徳先生のご講演を実現できた。全学共同研究プロジェクトの文理融合ワークショップにお招きし、ヴィーコの学問論についてのお話を伺おうと計画してから、なんと1年半である。コロナ禍のなか色々な事情が重なったためである。全学プロジェクトが予想に反して1年で終了となったので、データサイエンス学部と経済学部の連携の一つであるジョイントセミナーに位置づけさせてもらった。関係各位には心から感謝する次第である。

 さて、ご講演のテーマは「社会思想としてのクラシック音楽」であり、先生が執筆中の原稿のなかから、特に複製技術が進歩し、デモクラシーと市場が支配的な社会でのトピックスが紹介された。ベンヤミンの礼拝価値と展示価値の議論にはじまり、演奏芸術における平等性や中間階層をめぐるグールドとアドルノの対比、音楽家の労働市場と所得格差などの話が取り上げられた。通底する問題意識は、芸術とレジームの関係性であるが、先生によると、『道徳感情論』における模倣と流行に関するアダム・スミスの所論を読んだことがきっかけらしい。スミスはもちろん、トクヴィルやアリストテレスにも言及され、その議論の展開は博識な先生ならではのもので、まさに「本物」を実感した次第である。

 なお、昨年からの経緯をご考慮くださり、ご講演の冒頭ではヴィーコのデカルト批判も紹介された。合理的実証主義の方法では明らかにできない、「真らしい」ことを探究するという意味で、今回ご紹介いただいた研究はヴィーコ的な方法によるものである。

(経済経営研究所 所長 吉川英治)

講演会の様子
講演会の様子
講演会の様子
講演会の様子


このセミナーに関するお問合せは

滋賀大学経済経営研究所
TEL : 0749-27-1047
FAX : 0749-27-1397

E-mail:ebr@biwako.shiga-u.ac.jp までお願いします。