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研究会「高商史研究の課題と史料の展示」

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日時:2023年11月21日(火)9:00~13:00

論題:研究会「高商史研究の課題と史料の展示」

開催方式:対面(事前申込が必要です)

場所:セミナー室Ⅱ(総合研究棟〈士魂商才館〉3階)


1部 展示の解説と批評:企画展「経済経営研究所百年紀」第2期を対象に

  • 解説者:本学経済学部教員 阿部安成
  • コメント:静岡県立大学グローバル地域センター特任准教授 横井香織

2部 研究報告:20世紀初頭旧制官立彦根高等商業学校の誘致運動(仮)

  • 報告者:本学大学院経済学研究科博士後期課程 今井綾乃
  • コメント:静岡県立大学グローバル地域センター特任准教授 横井香織

講演報告

 「高商史研究の課題と史料の展示」と題した本研究会では、第1部として現在開催中のしがだい資料展示コーナー企画展「経済経営研究所百年紀―彦根高商に始まる、教育、調査、研究の1世紀」と、滋賀大学附属図書館本館「経済学部百周年記念パネル展」の概要を解説した。それぞれに簡便ながらもパンフレットとシートがあるので、詳細はそれらにゆずる。

 1つ要点をあげると、この彦根キャンパスで百年にわたって教育と修学、調査と研究の軸を担ってきた旧制官立彦根高等商業学校調査課(図書館での展示図書も関連して)から国立大学法人滋賀大学経済経営研究所までの機能は、国策や学界の動向、世相や世情、青年の気質や精神などとかかわり、それらをふまえながら、どういった彦根らしさをあらわせたのか否か――これが、彦根キャンパスでの百年におよぶ学知を考えるときの論点だとおもう。

 20世紀初めの滋賀県内への高等教育機関の誘致は、まさにこの彦根らしさの表明の機会だったといえる。ただし、学校誘致をめぐってはつい、県庁所在地の大津と、彦根藩お膝元かつ近江商人関連地の彦根との綱引きなどと形容されるが、犬上郡や「蒲生郡以北七郡」という凝集力が誘致実現に効力を発揮したとの観点が必要だろう。

 では、外地である台湾の高等商業学校をどう考えるか? 金太郎飴の如く高等商業学校をとらえようとすると、それは確実に見誤りの失敗に陥る。台北高商生の出自の重層性、生徒たちの卒業後の動向と台湾島内でのいわば人事交流圏、教官たちの履歴の多様性やそれらと関連したりしなかったりしながらのいわば「台湾ファースト」(横井香織)と形容できる人材養成を見渡せば、高商の比較史は不可欠であり、そのさきには、台北高商を単純に、植民地の高商とかたづけては済ませられない、台北高商観が示され、台北高商史が記せるように思う(20231121日彦根キャンパス総合研究棟研究工房にて開催)(阿部安成)


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