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研究会 「高商史研究の論点と史料のデジタル化」

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日時: 2023年512日(金)16301930

論題: 研究会 「高商史研究の論点と史料のデジタル化」

  • 第1部 「高商史研究の論点-阿部安成「高商歴史」をめぐって」 16:30-18:00 【一般公開】
  • 第2部 「史料のデジタル化」18:00-19:30【一般非公開】

報告者: 横井香織(静岡県立大学グローバル地域センター特任准教授)

コメント:阿部安成(本学部教員)

開催方式: 対面とZoomの併催

場所: セミナー室Ⅱ(総合研究棟〈士魂商才館〉3階)   


 【開催報告】

 研究会「高商史研究の論点と史料のデジタル化」(2023512日開催)は、2部構成としたその第2部「史料のデジタル化」(一般非公開)については、そのレクチャを担当する阿部のつごうにより開催時刻を早めて1430から、主題の一斑としての史料保存や史料公開を考える素材として、しがだい資料展示コーナー、附属図書館入口展示ケース、附属史料館企画展を観覧しながら、展示室の造作、展示の要諦、保存としてのマイクロフィルム撮影からデジタル撮影へ、デジタル化の費用などについて説明した。

 ついで当初の予定のとおり1630から、第1部「高商史研究の論点」の主題を横井香織さんが論じた。主題にかかわる参照稿とした、阿部「高商歴史-その史料と研究」をふまえて、論題は「阿部安成「高商歴史-その史料と研究」を読む」だった。横井さんは、参照稿から「9つの視点」をとりあげて、そのうちとくに、「3 東アジアの高商」「6 育成される実学実業青年」「9高商史料」に言及したうえで「今後の課題として」3点――「①東アジアの官立高商という視点で高商をとらえるには...」「②育成される実学実業青年―人材育成機関である高商の役割や成果を検証する」「③高商史料の偏在にどう向き合うか」を示した。

 横井報告のつぎに阿部が、参照稿を書く経緯と自己の経歴――教育や東アジアという観点とはほぼ無縁だった学部⁻大学院時代を経て滋賀大学経済学部に着任してから、経済経営研究所調査資料室の業務にかかわり、まずは同所所蔵植民地関係資料の保存と公開にむけて資料のマイクロフィルム撮影、資料検索データベースや所蔵資料のデジタル画像CD作成を担い、高商史を考え、複数の高商系国立大学法人経済学系学部の所蔵資料をみてゆくなかで、その残りぐあいの偏在、比較史の観点、世界規模での高等商業教育の同時代性の論点を示した、と述べた。

 横井さんが示した今後の課題①にかかわるディスカッションでは、中国、台湾、韓国それぞれの国家史(日本による統治や占領や支配)とのかかわりでいま、高商資料が閲覧できたりできなかったり、高商史がかえりみられないなどの過去への向きあい方(歴史認識の現在)があると知り、調査⁻研究をおこなえる場からの資料所在情報の発信や高商史研究の提起をしてゆく必要を感じた。

 研究会第1部を1800に終え、ついでふたたび第2部のレクチャとディスカッションにもどって、歴史資料のデジタル化をめぐる課題をまとめ、静岡県立大学グローバル地域センターが所蔵する歴史資料のデジタル化や展示などの公開にむけての今後のディスカッションの日程調整や意見交換をおこない当初の全予定を終えた。(阿部安成)

                           


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