~内戦の続くミンダナオからのメッセージ~ |
講師:Ms.Napsalita Diola Salah (パササンバオ総合保健医療サービス責任者) 日時:2008年11月26日(水)12:50~16:20 会場:滋賀大学彦根 第二校舎棟5階 545共同研究室 ☆12:50~14:40 ナプサさんの講演 ☆14:40~14:50 休憩 ☆14:50~16:20 ワークショップ コメンテーター マルティネス真喜子氏(看護師) 梅澤直樹教授(本学経済学部) 通訳 林かぐみ氏 コーディネーター 中島隆宏氏(アジア保健研修所) 司会 中野桂准教授(本学経済学部)【講演会概要】
医療経済・福祉研究会 では、民族紛争の続くフィリピン・ミンダナオで宗教や
民族を超えた活動を展開されているMs.Napsalita Diola Salah(ナプサさん)をお招きして、その取り組みについてご講演を頂いた。
ナプサさんのNGOはパササンバオ総合保健医療サービスと呼ばれ、保健ボランティア育成と薬草など伝統療法活用による健康づくり、住民参加の村づくり、平和教育などを行っている。ミンダナオ島はイスラム教徒や先住少数民族が多く暮らし、長期にわたる分離独立派と政府との内戦もあり、上記のような活動を推進するには大変な困難を伴う地域である。たとえば、内戦によって肉親を殺された子供たちに暴力はいけないと言うことはとても難しいことである。ナプサさんの取り組みは、そうした中にあって、コミュニティ・リーダーを育成したり、自立性が高く使命感を持ったヘルスワーカーを育てたりすることによって、政府の提供する保健サービスとは異なる質の高いサービスの提供を図っている。
ナプサさんの講演に続き、青年海外協力隊でエルサルバドルに派遣されていたマルティネス・真喜子氏ならびに滋賀大学経済学部の梅澤直樹教授より、その経験や学識から、的確なコメントを頂戴した。その後は、円卓形式で学生を交えたフリートークで、議論が行われた。参加者にとっては、近隣の国の抱える問題を知るとともに、バナナの輸入や米軍の派遣など日本とその問題が無縁ではないこと、また日本の医療現場にとってもナプサさんの取り組みから学ぶべき点があることなど、さまざまな気付きを与えられる貴重な機会となった。
なお、本講演の実施にあたっては、 アジア保健研修所 の中島隆宏主任主事並びに林かぐみ事務局長の多大なるご支援を頂戴した。ここに記して感謝申し上げる。(文責 中野桂)
滋賀大学リスク研究センター TEL:0749-27-1404 FAX:0749-27-1189
E-mail: までお願いします。