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お知らせ(平成30年企画展)


平成30年度企画展

菅浦文書国宝指定記念              

中世近江の惣村文書


 日  時:10月15日(月)~11月16日(金)
       ※土曜・日曜休館(ただし、11/3・4は開館)
 開館時間:9時30分~16時30分
 場  所:滋賀大学経済学部附属史料館1階展示室

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 このたび、長浜市西浅井町菅浦区よりお預かりしている「菅浦文書」が、国宝に指定されました。菅浦文書は、「惣村」の代表的な古文書として知られ、「日差」・「諸河」という小字の耕地をめぐって隣村と争論した記録や村掟など、中世に自立していた村の様子を示す史料約1260点が現存します。700以上の学術論文・文献等に利用され、多くの歴史教科書や史料集に掲載されていることからも、その貴重さが伺えます。

 これまで国宝に指定されてきた歴史資料は、寺社や公家、大名家などに伝来したものがほとんどでしたが、今回の菅浦文書のように、村の住民たちが自ら作成し地元で守り伝えてきた古文書が国宝となるのは、初めてのことです。

 そこで今年度の企画展は、菅浦文書国宝指定記念として、当館収蔵の中世文書を特集します。当館には菅浦文書以外にも、国の重要文化財に指定されている中世惣村文書が、2件寄託されています。東近江市今堀町の「今堀日吉神社文書」は、惣の掟書や神事に関する史料のほかに、その地域の商業活動に関する史料を含み、近世に活躍した近江商人の萌芽を示すものです。もう一つは、近江八幡市北津田町の「大嶋神社・奥津嶋神社文書」で、日本最古の村掟のほか、琵琶湖での漁撈の様子が伺える史料や徳制札などがよく知られています。

またこれら以外にも、平成28年に寄贈された「伊藤晋家文書」は、湖西の北小松の土豪であった家に伝わる古文書で、近江国守護六角氏の書状など中世史料を含む史料群です。

これら中世文書の数々は、菅浦文書と同様に、その地域に暮らした庶民の歴史を物語る貴重な史料群であり、その周辺地域との関わりをも示す滋賀県下の重要な文化財です。今回はこの中から、自治の象徴とも言える村の掟と、それぞれの地域の特徴を表わす史料を展示しました。中世の村の様子はイメージしにくいものですが、当時の村人たちが村を、そして自分たちの暮らしを、懸命に守ろうとした事実を少しでも読み取って頂ければ幸いです。ぜひご来館の上、国宝・重要文化財に指定されている史料をじっくりご観覧ください。

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須賀神社(長浜市西浅井町菅浦)

*入館無料です。

共催:科研基盤研究(A)「「菅浦文書」の総合調査及び村落の持続と変容の通時代的研究」 (課題番号16H01944)グループ

後援:(公財)陵水学術後援会

◆関連講演会

 11月4日(日)13:00~  於 滋賀大学彦根キャンパス本部管理棟3階大会議室

 「菅浦と大浦の堺相論~中世村落社会の実像~」長浜市市民協働部学芸専門監 太田浩司氏

 「近江商人の源流としての今堀」本学教育学部教授 宇佐見隆之氏

 「近世の菅浦村と古文書について」史料館長 青柳周一

  16:00~  ギャラリートーク

◆ギャラリートーク

 10月19日(金)・25日(木)、11月9(金)・16日(金)12:30~13:00に開催

スタンプラリーについて

当館は、かんさい・大学ミュージアム連携実行委員会主催のスタンプラリー参加館です。関西圏にある18の大学ミュージアムのスタンプを15個集めると、素敵な特製グッズをプレゼントします。
開催期間は1月31日までです。 小旅行気分で、普段行くことのない大学探検に出かけてみませんか!

※かんさい・大学ミュージアム連携実行委員会とは、「平成29年度文化庁地域の核となる美術館・歴史博物館 支援事業」の助成を受け、18館が連携して活動するものです。大阪・兵庫・奈良・和歌山・滋賀の大学ミュージア ム18館が参加しています。


 お問い合わせ  滋賀大学経済学部附属史料館
         〒522-8522 滋賀県彦根市馬場 一丁目1-1
         TEL/FAX 0749-27-1046
          E-mail:shiryo@biwako.shiga-u.ac.jp
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