リスク研究センター
セミナー 2008/1/25
講師:
鈴木 健二郎氏
(三菱総合研究所 先進ビジネス推進センター 総合リスクマネジメントグループ研究員)
演題:
『新BIS規制の運用に伴う新たな信用リスク管理のあり方』
日時: 平成20年1月25日(金)13:00~14:30
会場: 22番講義室
司会: 中野裕治教授 (本学経済学部)
(講演概要)
BIS規制とは、国際業務を行っている銀行に対する信用秩序の維持の観点から、銀行経営管理の最低基準として、バーゼル銀行監督委員会が設定した国際基準である。BIS規制では、銀行の自己資本比率を8%以上とするなど、銀行経営における各種リスクの基準が定められている。
1988年の実施から十数年の時を経て、バーゼル銀行監督委員会は、近年の金融技術の進展や金融商品の多様化を背景にBIS規制の基準を見直し、新BIS規制(「バーゼルII」とも呼ばれる)として新たな基準を導入するに至った。日本でも、2007年3月期末より実運用段階に入っている。
新BIS規制は、以下の3本の柱からなる。
第1の柱:最低所要自己資本比率の算定方法の変更
第2の柱:金融機関の自己管理と監督上の検証
第3の柱:情報開示による市場規律の導入
最大のポイントとなるのは第1の柱であるが、これにより信用リスクアセットの定量的なリスク算定方法が大幅に見直され、債務者の信用状況をより細かく反映させた計算が要求されることとなった。現在、いわゆる「内部格付手法」(「IRBアプローチ」とも呼ばれる)を採用する大手行を中心に、各銀行で新たな信用リスク評価モデルがビルトインされるとともに、実務運用上の課題を踏まえたモデル選択とシステムへの実装が進められている。
本講演では、新BIS規制の下での信用リスク管理のあり方を俯瞰した上で、リスク算定モデル及びシステム設計の例について概説した。
主催:滋賀大学経済学部附属リスク研究センター
TEL:0749-27-1404(内線396) FAX:0749-27-1189
e-mail address:risk@biwako.shiga-u.ac.jp
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