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セミナー報告 2006/6/9

リスク研究センターセミナー報告

高山史乃氏(シドニー大学経済学部常勤講師)

『Price, Trade Size, and Information Revelation in Multi-Period』

日時: 平成18年6月9日(金)16:00~17:30
会場: 経済学部第二校舎棟5階 545共同研究室
司会: 楠田 浩二助教授 (本学経済学部)
Dr.Takayama
Dr.Takayama
セミナー風景
高山史乃氏

【高山セミナー「多期間証券市場における価格、取引量、情報開示」報告】
 本セミナーの要旨は以下の通り。本研究では、証券の価格、取引量、情報の関係が多期間証券市場モデルにより分析されている。同モデルでは、リスク証券がマーケット・メーカー、戦略的トレーダー、ノイズ・トレーダーの間で取引される市場が仮定される。これらの市場参加者のうち、リスク証券の最終期の真の価値は戦略的トレーダーのみに知られている。本市場では、各期毎にマーケット・メーカーが売買価格を提示した後、戦略的トレーダー或いはノイズ・トレーダーの何れかが市場に現れ匿名で市場取引を行う。 ノイズ・トレーダーが全く出鱈目に取引量を決定するのに対し、戦略的トレーダーは自己の期待収益を最大化するように取引を行う。取引が匿名で行われるため、マーケット・メーカーは取引相手が戦略的トレーダーであるのかノイズ・トレーダーであるのかを取引量から推測するとともに、リスク証券の最終期の真の価値を推測していく。このためリスク証券の最終期の真の価値に関する情報は期を追うに連れ開示されていく。既存のモデルでは、取引が単位取引量でしか行われないという非現実的な仮定が置かれていた。 これに対し、本研究は同仮定をトレーダーは取引量を自由に選択できるという現実的な仮定に緩め、その場合に取引量が市場参加者の取引戦略、売買価格(特に売買価格差)、情報開示に如何に影響を与えるかを分析したものである。
 高山先生の高水準の意義深い研究に関する簡潔にして要領を得た説明に対し、興味をそそられた聴衆から活発な質疑が行われ、非常に有益なセミナーとなった。
(文責 楠田 浩二)

               主催:滋賀大学経済学部附属リスク研究センター
                TEL:0749-27-1404(内線396) FAX:0749-27-1189
                 e-mail address:risk@biwako.shiga-u.ac.jp

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