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(名古屋市立大学大学院経済学研究科博士後期課程)
『 [GLP&MEMM]モデルに対する実証分析』
日時:平成18年12月8日(金)10:30~12:00
会場:経済学部第二校舎棟5階 545共同研究室
司会:中野裕治教授
(アブストラクト)
ブラック・ショールズモデルでは、原資産の価格過程は幾何ブラウン運動に従うことが仮定されており、その収益率分布は正規分布に従う。しかしながら、現実の株価収益率分布は正規分布よりも急尖的な特徴を持ち、あるいは、左右非対称な分布をしていることが知られている。これは、株価が時に急激な変動をすることに起因するものである。さらに、オプションとは将来の株価変動リスクに対する保険的商品であることから、将来時点の予想収益率分布が正規分布に従わない場合にはその影響はオプション価格に明確に反映されるであろう。 このように、原資産の収益率分布の非正規性はオプション価格評価にとって重要な要因である。この特徴を説明できるようにブラック・ショールズモデルを拡張したのがMiyahara(2001)で導入された[GLP & MEMM]モデルに代表される幾何レ ヴィ過程モデルである。特に[GLP & MEMM]モデルは適用できる幾何レヴィ過程のクラスが大変広いという特徴を持っており、例えば幾何安定過程にも適用できる。そして、幾何安定過程に適用できる同値マルチンゲール測度は現在のところMEMMが唯一といえる。 本報告では、日経225株価指数オプション及びOTCの通貨オプションに対する実証分析で得られた[GLP & MEMM]モデルの重要性を示す実証結果を紹介した。特に、OTCの通貨オプ ションに対する分析では、[幾何安定過程 & MEMM]モデルがオプション価格に対する全体的な当てはまり及び予測性の点で最も優れたパフォーマンスを示した。
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