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『バブル崩壊以降の金融行政について』
日時: 平成18年1月28日(土)13:00~15:00
会場: 経済学部第二校舎棟5階 545共同研究室
司会: 小川 功教授 (本学経済学部)
大蔵省銀行局長の経歴を持つ西村吉正教授を招いて、経済経営リスク専攻の大学院生を主な対象とする上記のセミナーを企画したところ、県内の企業、学校、官庁等からの受講者を含め、教員、院生多数の参加を得た。
西村教授の講演の趣旨は戦後の金融行政を、1.護送船団行政、2.過渡期の行政、3.小泉内閣の行政に三分して、それぞれの時期の行政の根本理念が何であったかを比 較・分析し、「金融」というものの見方が時代とともに変化することを示そうとする内 容であった。 特に2の過渡期の行政の説明では西村教授自身が金融行政を直接担っていた時期に当り、大蔵省が従前の「医者」の役割だけでなく、破綻金融機関をあの世に送る「坊主」の役割まで果した点を強調された。われわれ部外者にも当時の銀行局内の緊迫した様子をうかがわせるものであった。3の小泉内閣の行政に関連して、最近の話題でもあるホリエモンの独特の金融観にも言及され近時の金融の公共性に対する考え方の激変ぶりを鋭く指摘された。
1時間強の講演の後、大学院生を中心に活発な質疑応答がなされ、西村教授から中国、バングラディッシュ等の諸国の金融行政と日本との対比など、質問内容について詳しくご説明頂いた。西村教授自身が当時の中国高官と金融行政のあり方に関して直接意見交換した様子なども披露されるなど、受講者全員に強い印象を与えたセミナーであった。(文責小川功)
主催:滋賀大学経済学部附属リスク研究センター
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