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宗教組織の社会構造とエージェンシーに関わる人類学的研究

社会システム学科 准教授 福浦 厚子

このたび「宗教組織の社会構造とエージェンシーに関わる人類学的研究」というテーマで貴後援会より助成を受け、研究をすることができて、大変感謝いたしております。2008年9月にはシンガポールにおいて宗教組織を対象とした調査研究ならびに国立図書等での資料収集を行うことができました。また調査研究に際しては、シンガポール国立大学で宗教学を専門に研究しているA.Chan博士とも意見交換をする機会を持つことができ、この研究をさらに発展的に展望するための意見をもらうことができました。その成果の一つは現在、論文としてまとめているところであり、印刷され次第提出いたします。またもう一つの成果は、「喜捨と慈善のゆくえに関する人類学的研究」として日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究C)に申請することができました。この申請はこのたび無事採択されたことがわかりました。おかげさまで2009年度より2012年度までの4年間さらに重層的に研究を継続することができます。これも貴後援会よりこのたびの研究プロジェクトへ助成をしていただいたおかげであり、重要な最初のステップを踏み出すことができたと考えております。
 シンガポールという多文化多民族社会では宗教的、民族的調和を維持することが社会だけでなく、経済的政治的な安定に直結する事態となっています。そこで国家としては宗教調和維持法などによって各宗教の活動を規制するのですが、個々の宗教活動を行っている国民の立場から見れば、そういったなかでどのように自律的自主的な宗教活動が許されるのか、様々な日々の営みのなかで模索して行かなければなりません。それら両者の力はいわば宗教という一つのアリーナにおいてせめぎ合いを行っているわけです。そこで今回は華人系の人々が集まる寺廟において一般信者と宗教職能者と寺廟の代表者、さらにそういった寺廟を取りまとめる団体などが宗教組織の社会構造とエージェンシーをどのように認識し、国家との関係を作ろうとしているのか、人類学的な調査を行いました。
結果発表
 1.結果発表の時期 2009年度
  2.結果発表の方法 論文



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