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博士論文執筆(論文タイトル「知覚的権原の理論(A Theory of Perceptual Entitlement)」)

社会システム学科 准教授 西村正秀
 本研究の目的はイリノイ大学シカゴ校における博士論文の執筆である。本論文の目的は、知覚により形成された信念(知覚的信念)の認識規範について新しいヴァージョンの信頼性主義(「知覚的権原の情報-反個体主義理論(the informational anti-individualist theory of perceptual entitlement; IAIPE)」)を提出することであり、その結論は次の4点にまとめることができる。

(1)知覚的信念の認識規範はtruth-conduciveでなければならない。
(2)知覚的信念の認識規範を最も十全に説明する理論は、反個体主義と信頼性主義に基づくバージ的権原理論をドレツキの情報理論によって補強したもの(IAIPE)である。
(3)この新しいバージ的権原理論は信頼性主義が抱えてきた従来の諸問題を退けることができる。
(4)知覚的権原の理論は知覚経験の非概念主義を必要とする。

 本論文は序論と結論を除いて、5つの章より構成される。一部は渡米前に書いた草稿や論文を利用して執筆し(第2章第5.3節、第3章第2節、第4章第2~4節、第5章第1~5節、第6章第2~3節)、残りの部分は新たに執筆した。毎週一回、主任指導教官のDavid Hilbert教授に草稿の一部を提出し、それを基に議論を行い、推敲を重ねるというスタイルを取った。また、同大学の他の指導教官(Colin Klein教授、Daniel Sutherland教授)にも適宜コメントを求め議論を重ねた。
 本論文は平成22年7月にHilbert教授、Klein教授、Sutherland教授、Abe Roth教授(Ohio State University)、Jeffrey Speaks教授(University of Notre Dame)で構成されるDissertation Committeeに提出された。同年8月、同Committeeによる口頭試問を受け、それに合格した。帰国後、同年10月にイリノイ大学シカゴ校に最終稿を提出し、同年12月に学位(Ph. D., Philosophy)を取得した。
研究成果発表の時期と方法:平成22年10月 博士論文としてイリノイ大学シカゴ校に提出。
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