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近江商人西川伝右衛門家文書の共同研究と史料公開の促進

社会システム学科 教授 青柳周一
西川伝右衛門家は、荒物・呉服の行商から出発し、のちに蝦夷地(現在の北海道)の松前に拠点を構えて漁業経営に乗り出し、廻船業も営んだ、近世の八幡商人である。西川家の古文書は附属史料館で収蔵しているが、その一部は未整理のままであり、現在まで調査・整理が課題として残されてきた。また以前に作成された目録も現在の研究水準からすれば内容の訂正・追加の必要があるものである。そこで平成18~20年度科学研究費補助金によって、京都大学の岩崎奈緒子氏を中心として再目録化を行なったが、その作業はいまだ途上であり、新たな目録の刊行に漕ぎつける必要があった。
そこで岩崎氏と青柳による共同研究によって再調査を進め、これまで未整理であった分も加えた詳細な史料目録を新たに作成・刊行することを計画し、平成22年度学術後援基金を申請した。また近世には高宮の近江商人であった馬場武司家文書も、史料館が保管する貴重な近江商人史料群のひとつであり、前記の科学研究費補助金による全点目録を既に刊行している。しかし一般利用に供するには史料管理用ラベルを全点に貼る必要があるため、平成22年度学術後援基金によってアルバイト2名を雇用して、年度中にラベル貼り作業を完了させることとした。
附属史料館が保管する西川伝右衛門家文書(総数約5,800点)につき、岩崎氏を中心として史料館スタッフと共同で目録データの整備を進め、『西川伝右衛門家文書総目録』(平成23年2月、編集・岩崎奈緒子、発行・附属史料館)を刊行す ることができた。馬場武司家文書および西川伝右衛門家文書のラベル貼り作業についてはのべ5名を雇用し、およそ3,600点分のラベルを貼り、両文書を一般利用に供する体制を整備することができた。

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