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日本近代詩にみる英語詩の影響―伊藤整と左川ちかの詩を中心にして―

社会システム学科 准教授 菊地 利奈
本研究は、萩原朔太郎以降の日本詩壇における英語文学の影響を分析し、日本の口語自由詩の発展に、 当時の英語詩が与えた影響を明らかにすることを目的として実施された。 なかでも、アイルランド文学の影響に注目し、北海道出身の伊藤整と左川ちかが大正末期から昭和初期にかけて 発表した諸作品(詩、翻訳作品、文学論など)とアイルランド英語詩との関連について、 当時の出版物、文芸雑誌、書簡、創作ノートを中心に調査した。
平成19年度の具体的な調査機関と調査資料は、(1)日本近代文学館所蔵の文芸誌、自筆原稿、 (2)北海道立文学館所蔵の自筆原稿、創作ノート、書簡類、(3)市立小樽文学館所蔵の自筆ノート類、 (4)小樽市立図書館における郷土資料などであった。伊藤整については、 (5)伊藤整が卒業した旧制小樽中学校(現潮陵高校)及び(6)旧制小樽高等商業高校(現小樽商科大学)にご協力いただき、 伊藤整が上京以前に書いた初期創作資料を収集することができた。
調査及び資料収集のため、小樽、札幌、東京に出張し、研究成果報告のため東京に出張した (研究費・研究助成金を最大限有効活用するため、出張費は学術後援基金以外で補填するようこころがけ、 学術後援基金は、主に資料・書籍購入に使用させていただいた)。
 上記「伊藤整と左川ちか:アイルランド文学にみいだした『希望』」については、 今年度中にワーキングペーパーとして刊行し、その後、学術誌『エール』(日本アイルランド協会刊行)への投稿を予定している。
 上記「The First Two Translations of Chamber Music in Japan: How the Act of Translation Influenced Japanese Prose-Poetry」については、 研究発表後、ワーキングペーパーとして刊行するか、学会誌『Journal of Irish Studies』に投稿することを予定している。

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