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「ナチス期の貯蓄銀行と地域経済構造」の実証研究

経済学科 教授 三ツ石郁夫
本研究は、1930年代初頭の世界経済恐慌から第二次世界大戦にかけての西南ドイツ地域経済を対象として、同地域経済の構造的安定性を、とくに金融経済面でのリスク分散構造のあり方に焦点を当てて検討するものである。対象地域は、現在のEUのなかでも自動車・機械製造業を中心とした有数の輸出工業地域であり、当時すでに低い失業率と高い一人当たり国民所得を特徴として不況に抵抗する「模範的な地域経済」として認識され、現在に至っている。その要因はこれまでとくに農業・工業の絡まりあいや労働者の就業形態から検討されてきた。本研究では、これまであまり考慮されてこなかった金融面に焦点を当て、とくに金融機関と金融市場、そして金融政策(制度)にけるリスクのあり方を明らかにしようとするものである。
そのために2006年4月に渡独したのち、ドイツ・ホーエンハイム大学にて主にJ.シュトレープ教授と研究交流を進めつつ、また、シュトゥットガルト地域の史料館、文書館、図書館で関連資料を収集し、8月後半にはベルリン連邦文書館においても関連資料を収集して9月に帰国した。
5ヶ月半の長期研究期間とそのための研究助成という支援を受けて、それまで断片的にしか出来なかった研究テーマをじっくりと進めることが出来た。このことについて、まずお礼を申し上げたい。先方の大学では研究室とパソコン、コピーカードが支給され、また図書の利用等でも便宜を図ってくれたので、研究環境は申し分のないものであった。また研究者との交流も楽しいもので、研究題目に関連するもの以外でも、さまざまな知見を得ることが出来た。帰国してしばらくして、先方のシュトレープ教授を日本に招待したが、これについては別の資金援助を受けた。研究交流を広げるために、何らかの形で研究支援を再度希望したい。
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