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「絶対隔離」の思想と実践をめぐる歴史社会学研究

社会システム学科  助教授 阿部安成
 本研究の目的は、日本の隔離政策の思想と展開を明らかにすることにある。この研究を進めるにあたって平成17年2月に行った資料の調査・閲覧と収集は、以下のとおりである。(1)横浜市中央図書館では、新聞の閲覧、(2)高松宮記念ハンセン病資料館では、この資料館の所在地である国立療養所多磨全生園と、国立療養所長島愛生園の園長を務めた光田健輔関係資料の閲覧と複写、(3)岡山市立中央図書館では、光田文庫の閲覧と撮影、(4)国立療養所長島愛生園では、神谷文庫の調査を行った。現在、これらの収集資料を分析中である。
 本後援基金による資料の調査・閲覧と収集により、(1)国際らい会議録、(2)光田健輔の論文、(3)光田健輔の草稿やノート、(4)小川正子から光田に宛てられた書状、(5)全生園と愛生園の運営資料、などを得た。また神谷文庫では各国立療養所ですでに散逸してしまった資料の所在を確認した。 こうした資料により、日本の隔離政策について、その推進者である光田健輔の思想を主軸として、研究する展望が開けた。研究は、(a)公表された論文にみられる光田の思想、(b)草稿やノートにみられる光田の思考過程、(c)『小島の春』で知られる小川正子からの書状にみられる光田との交流、(d)光田も出席した国際らい会議における日本の隔離政策の位相、(e)隔離政策が実施された療養所における入所者のそれへの対応、という分野において行われることとなる。 平成16年度は、本後援基金の決定が11月となったこともあり、調査は年度末近くの2月になってからようやく行われることとなった。そのため、収集資料の分析はいまだ充分ではないが、平成17年度中に研究成果を公表する予定である。
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