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クレジット・デリバティブの理論的・実証的研究

ファイナンス学科  教授 有馬敏則

 クレジット・デリバティブ(Credit Derivatives)は、社債や貸付債権の信用リスクに注目し、これを定量化し、これらの信用リスクをスワップやオプションの形式で投資家同士での直接交渉により、個別に条件を決めて売買する店頭取引である。
 クレジット・デリバティブ市場は、まだ誕生して間もない市場であり、取引されるリスクは大きさ、質、構造等々の点でさまざまである。したがってクレジット・デリバティブの仕様は未だ流動的であり、日々新たな仕組みが登場している。本研究においては、クレジット・デリバティブの定義、取引構造、取引動機、価格評価、ヘッジ戦略等々の体系化を図るとともに、現実に発生しているクレジット・デリバティブによるカントリーリスク移転問題についても考察をしようとするものである。
1、 実施方法及び経過等
(1) クレジット・デリバティブに関する文献のサーベイを行い、その定義付け、取引構造、ヘッジ戦略について論点整理をした。
(2) クレジット・デリバティブに携わっている実務家、研究者等々と討論を行うとともに、実態についての資料収集を行った。
(3) クレジット・デリバティブ取引の実施により、カントリーリスク移転が行われている実態について検討し、BIS ( Bank for  InternationalSettlements, 国際決済銀行)の「Consolidated International Banking Statistics ,国際与信統計」による統計的考察と、国際与信統計の当面する問題点とそれに対応した修正問題についても考察した。
研究成果発表の時期と方法
1、本研究による研究成果の一部(実施方法(3)による研究成果)を、下記の『彦根論叢』に公表した。
  有馬敏則「カントリーリスク概念とBIS統計」『彦根論叢』第357号(酒井泰弘教授退職記念論文集)平成18年1月、pp.67―85。
2、本研究による「実施方法(1)、(2)」の研究成果は、平成18年8月の『彦根論叢』に「信用リスクとクレジット・デリバティブ(仮題)」で公表予定である。
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