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滋賀県米原市柏原成菩提院所蔵の古文書調査・整理

附属史料館 准教授 青柳 周一
研 究 成 果
 滋賀県米原市柏原の天台宗寺院である成菩提院は、14世紀頃に開基されたと思われる、湖北地域を代表する古刹である。同寺は国指定重要文化財4点を含む貴重な歴史文化財を多数所蔵していることでも知られ、近世・近代期の古文書についても約3,000点の所在が確認されている。しかし、これら古文書の調査・整理は最近まで進んでおらず、学術的活用や一般公開がほとんど不可能な状態に置かれていた。そこで平成19年以来、研究代表者(青柳)は東北大学の曽根原理氏、岐阜大学の朴澤直秀氏ほか、関東・関西在住の研究者とともに共同研究グループを結成して、成菩提院が所蔵する古文書の調査と整理を行なってきた。成菩提院の古文書の概要、また調査・整理作業の状況については、青柳が滋賀大学経済学部附属史料館『研究紀要』43号(平成21年)に掲載した研究ノート「米原市柏原成菩提院所蔵の近世史料調査について」を参照されたい。
 近世の成菩提院は近江国内外に末寺を有する大規模な地方寺院としてユニークな存在であり、調査・整理が進むにつれてその古文書の歴史学的な価値がますます明らかになってきている。そこで平成22年度には青柳と曽根原氏・朴澤氏との共同で、陵水学術後援会学術調査・研究助成を申請し、調査・整理の着実な進捗を目指すこととした。今年度の調査・整理作業は青柳・曽根原氏・朴澤氏を中心に、仏教史および近世・近代日本史の専門的知識と高い古文書整理能力を備えたメンバーを東京・大阪・京都などから招聘して、6月19・20日、10月2・3日の2回実施することができた。現在までに古文書整理総点数は2163点に到達しており、一般公開に向けた作業に目途を立てることができた。さらに今年度は、成菩提院の末寺であった美濃国(岐阜県)谷汲山華厳寺への研究グループによる巡見もあわせて行なうことができた。
 今年度の調査・整理で得られた研究成果の一部については、青柳・曽根原氏・朴澤氏の共同で研究ノート「米原市柏原成菩提院所蔵史料の紹介と解説」を執筆し、滋賀大学経済学部附属史料館『研究紀要』44号(平成23年3月刊)に掲載して公表済みである。
結果発表
 1.結果発表の時期 平成23年3月
  2.結果発表の方法 滋賀大学経済学部附属史料館『研究紀要』44号(平成23年3月刊)に研究ノートを掲載。

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