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20世紀前期日本の高等商業学校における生徒の調査と分析の技能

社会システム学科 教授 阿部安成
研 究 成 果
 当初、本調査・研究では山口高等商業学校の生徒を対象とした分析をおこなう予定だったが、山口大学経済学部では、明瞭な説明がないままに史料を非公開としたため、調査先の変更をおこなわざるを得なくなった。幸い、東京高等商業学校の生徒が執筆した調査報告書について、それを所蔵する一橋大学附属図書館ではそれらの一般公開をおこなっていたため(ただし貴重書扱い)、調査先を一橋大学にかえて、東京高等商業学校の生徒を調査・研究の対象とすることとした。
 本調査・研究をすすめるにあたって、筆者は、一橋大学附属図書館で、東京高等商業学校の生徒が執筆した卒業論文や報告書と、東京高等商業学校一橋会が発行した『一橋会雑誌』を閲覧した。
 また、調査・研究の過程では、<1>全国歴史資料保存利用機関連絡協議会近畿部会第101回例会(奈良県立図書情報館、2009年5月21日)、<2>一橋大学福田徳三研究会(一橋大学附属図書館、2009年10月26日)、<3>国際シンポジウム「近代東アジア歴史研究の現状と既存史料の有効利用/ The State of Historical Research in East Asian History and the Effective Use of Extant Sources」(国際日本文化研究センター、2010年3月5日・6日)、<4>滋賀大学経済学部ワークショップ(滋賀大学経済学部、2010年3月9日)において口頭報告をおこない、その成果を、<1>「大学史関係資料の保存と公開と活用について-滋賀大学経済経営研究所と東北大学史料館を事例として」(滋賀大学経済学部ワーキングペーパーシリーズNo.125、2010年1月、共著)、<2>「デジタル化の誘引-滋賀大学経済経営研究所と小樽商科大学百年史編纂室を事例として」(同前No.128、2010年3月、共著)、<3>「目録をつくるということ」(『記録と史料』第20号、2010年発行予定)といった論稿をとおして発表した。論稿<1><2>はその全文が、滋賀大学経済経営研究所のホームページをとおしてウェブ上に公開されている。
 上記、4回の口頭報告と3編の論稿をとおして発表した成果の概要をまとめると、<1>20世紀前期日本における高等商業学校にかかわる歴史資料の整理法をめぐる方針と展望を示したこと、<2>同歴史資料の活用をめぐって、高等商業学校研究の課題として生徒の活動と能力を対象とするとの指針を示したこと、<3>高等商業学校関係史料の歴史化という課題を示したこと、をその要点としてあげることができる。
 なお、東京高等商業学校の生徒が執筆した調査報告書や卒業論文の目録は、その一部をExcelで入力し、彦根高等商業学校生徒のそれについてはそのすべての入力を終えている。この2つの目録については、2010年7月までに滋賀大学経済学部ワーキングペーパーシリーズで発表する予定である。

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