経済学部

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近江商人・近江国関係史料の調査・撮影(東京大学法学部所蔵)

企業経営学科 教授 宇佐美 英機

 東京大学法学部法制史資料室に所蔵されている近江商人・近江国関係史料のうち、 とりわけ前者を中心として史料目録を点検し、 今後の研究・教育を進める上で有益と思われる史料を撮影し、複製史料を史料館に保管することとした。
  このたび東京大学法学部法制史資料室のご許可のもとにマイクロ撮影を依頼し、 そのネガフィルムから紙焼き複製・製本した史料は、 近江八幡市の商家「内池家」の日記(文化6年~安政4年。一部年次欠けあり)14冊、「江州蚊帳織仲間記録」(明和5年)、 「蚊帳新々組行事帳」(享和4年・文化13年)である。「内池家」は東北地方にも商圏をもっていた商家であり、 現在も近江八幡に末裔がおられ、史料も伝来している由、聞き及んでいる。 いずれ、これらの史料についても収集できれば、経営の実態が明らかになっていくものと考えられる。 「日記」長期にわたる時期を記述しており、 解読がすすめば、生活に則した商家の歴史が明らかになるのではないかと期待される。
 「蚊帳」は八幡商人、 あるいは近江を代表する持ち下り商品であったが、これまでは『滋賀県八幡町史』などの限られた文献で研究されてきた。 このたび収集できた史料は、それらの研究では十分解明できていない側面を 明らかにすることに寄与するものと考えている。近江八幡市域の商家史料は、 附属史料館で整理・公開されているものを除けば、ほとんど地元で見ることができない現状を考えると、 これらの史料が今後の近江商人研究に豊かな成果をもたらすものと期待される。
 また、CD県史誌は、?関東・?近畿・東海編を購入できた。このCDには、現在入手困難な県史が収録されている。 各地域のものがあるが、とりあえず近江商人の出店が多い地域の県史が収められたものを購入した。 以前より近江商人の出店や商人の経営活動について記述されているという情報が得られれば史料館で文献を収集してきた。 しかし、すべてを揃えることは不可能であり、 このたび購入できたCD県史は、検索機能もついており、利用するに便利となった。 キイワードを入力すれば、容易に該当史料を見つけられるようになっているため、 初学者にとってはすぐに得たい情報を手にすることができる。 それゆえ、史料館における調査・研究に役立つだけでなく、 学生たちがレポートや論文を作成するさいにも有益である。

上記のように収集できた史料などは、史料館において教育・研究に供されることとなった。
結果発表
  1.結果発表の時期 平成20年4月
  2.結果発表の方法 附属史料館において閲覧できる


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