近代日本における経済学-商業教育をめぐる調査研究
新型コロナ感染症の収束が見込めない状況が継続するなかで今年度も当初計画していた遠隔地への調査はかなわなかったものの、彦根においてできる調査やデータ収集・整理をおこなった。そこでは結果的に、二つの高等商業学校に焦点をあてることになった。
そのひとつは、彦根高等商業学校である。その同窓会組織である陵水会が所蔵する資料の整理を研究協力者(今井綾乃)がおこなった。整理した資料についての公開の可否については、現在、陵水会に照会中である。
もうひとつは、大分高等商業学校である。これは、高商のカリキュラムを検討する上で、経済学・商業学・法学といった系統分類が高商自身で学科課程表においておこなわれていること、カリキュラムの変遷について詳述された『大分高等商業學校二十年史』が国立国会図書館のデジタルコレクションに含まれており、ダウンロードして閲覧できること、という二つの理由による。これらの史料を用いて、ワーキングペーパーを公刊した。
坂野 鉄也 「官立高等商業学校学科課程の変遷―大分高等商業学校を事例に―」 滋賀大学経済学部ワーキングペーパーシリーズ No. 306、2021年8月、1-56頁。
また大分高商については、研究協力者も同窓会報と学校一覧を史料として、同校卒業生の出身地、就職先についてのデータ整理をおこなった。
結果発表
1.結果発表の時期 2021年8月および許可が発出され次第
2.結果発表の方法 ワーキングペーパー等の公刊