経済学部

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講義アンケート用クラウド・ジェネレータの構築

社会システム学科 教授 渡邉 凡夫

1.本研究の目的

 既に構築済のWEB-DBシステムを拡張する。具体的には多様な形式で実施可能なアンケートシステムのジェネレータを構築し、クラウド上にて公開提供する。ジェネレータはアンケート実施側に簡単なクエリーによりフォームを生成するシステムであり、その開発と運用が最終目的である。
 本WEB-DBシステムは構築から15年が経過し、OSのライセンス期限終了やオープン・ソースのバージョン改編に伴い大規模メンテナンス時期にあり、これに伴いハードウエアの大幅刷新としてサーバー機一式、およびメンテナンス用補助ソフトウエアの整備が必要であった。新機能としてsFTPを追加した。

2.研究計画と進捗

 以下の手順にて研究計画立案し、④の段階を経て報告書としてのレポートが成果物の一部と考えた。
 ①サーバー機の購入
 ②WEB-DBシステムの新サーバーへの移植と旧DB群の稼働確認
 ③ジェネレータの設計開発
 ④ジェネレータの運用
 現実的に移植プロセスは次の課題のため厳しい進捗であった。

 課題1. WEB-DB構築のためのオープン・ソース・システム
 WEB-DBは[1]WEBサーバー、[2]RDBサーバー、[3]CGIスクリプトの3層実装である。旧WEBサーバーが廃版となり、別WEBサーバー導入の必要から現在主流のXAMPP統合環境を選択した。そのため旧[2]:PHP4からPHP7へのバージョンアップ、旧[3]:MySQLからMariaDBへの改編のため仕様変更が劇的であり、移植に多大な時間を費やすこととなった。
 当初移植は容易であると見積ったが誤りであり、研究計画の支障となった。現在はオブジェクト指向型の開発設計が主流であり、旧システムの手続き型モジュール設計の変更が必要となった。そのため最低限の変更を目指しサーバー移植を実装した。

 課題2. DB群の文字コードとモジュール群の規模
 旧サーバー運用時にはモバイル端末は存在せず、シフトJISが主流日本語環境であった。しかし現在は日本機種PC以外に世界規模仕様のモバイル端末が一般となりUTF8が当然の時代である。結果として本研究者が抱える92のDB群(各DBに平均7のDBテーブル)全てに対し変換作業が必要となった。また各DBの全モジュール内(各DB平均30モジュール、各モジュール平均200ステップのステートメント)の言語システムの全チェックが必要となった。

 本研究は前述ジェネレータ設計が目的なので全DBの処理は不可能と判断し、必要最小限のとした。
 PHP7とMariaDBの改編仕様変更による移植は困難な作業であったが、「設計モードをあらためて学び直す」という意味では技術習得の成果と建設的に捉えている。

3.評価と検証

 旧DBの移植確認を経てジェネレータ設計したが、本研究者自身の評価としては汎用性にやや欠けるものと考える。申請書は新入生対象の「情報リテラシー」アンケートである。大学入門セミナーでは本研究者が情報セキュリティ・モラル概説を実施し、情報リテラシーも確認必要と考えている。もし欠如が著しい場合、別の教育機会が必要である。申請書ではジェネレータ設計とアンケートへの使用およびアンケート結果を報告予定としたが、昨年度はシステムが構築前でアンケート結果が無い。またその前年度は学生への通知不十分から30件程度である。現在2021年度の新入生対象に準備中であり、7月上旬に集計完了予定である。よってレポート等の報告はその後となる。
 昨年からウイルス感染のため教育関係では会議や講義等オンライン環境が順次整備されてきた。そのような統合環境ではアンケート機能も実装されており、本学にはSULMS、Office365のForm が相当する。
 本システムとアンケート機能付統合環境との差異もあらためて評価するが、端的に前者がDBを基本とするので時系列や他アンケートとの連携可能性を利点として提示しておく。

結果発表

1.結果発表の時期  2021年度末
2.結果発表の方法  本学・彦根論叢またはワーキング・ペーパーにて報告予定


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