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20世紀前期日本の高等商業学校とその同窓会をめぐる文化研究

社会システム学科 教授 阿部 安成

(当初計画)

 本学術調査・研究における計画は、①滋賀大学彦根キャンパスに残る、彦根高等商業学校から滋賀大学経済学部へとつづく同窓会団体である陵水会が保管する史料を整理、調査すること、②滋賀大学経済経営研究所が所蔵する20世紀前期の新聞を閲覧すること、③長崎高等商業学校と高岡高等商業学校についての史料調査・研究を実施することにあった。

(実施調査・研究)

 研究協力者とともに実施した調査・研究について以下に記す。
 上記①については、「陵水会史料」(仮称)と滋賀大学経済学部体育会所蔵の記録(1970年代~1990年代)を調査、整理し、それらの目録を作成した。さらに作業の過程であらたに陵水新聞会でみつかったとの情報を得た『滋大陵水新聞』についても同様に調査、整理のうえ目録を作成した。
 「陵水会史料」(仮称)については、彦根高等商業学校時から現在にいたるまで歴史資料はすべて整理を終え、その目録を完成させた。目録の公開については、同会との今後の協議により、その可否を決定することとした。
 これらの作業を経て、彦根高等商業学校の受験配布資料、時間割、図書帯出券、開寮祭はがき、などの所在が明らかになり、また戦時期の勤労奉仕、出征や戦死についてのようす、滋賀大学工学部設置をめぐる経緯を伝える歴史資料も把握した。
 この同窓会団体の歴史資料の調査・研究をふまえ、それをよりいっそう活用するための比較対象として、長崎高等商業学校と高岡高等商業学校と東京高等商業学校を選定し、それらの同窓会にかかわる歴史資料の調査・研究も実施した。これら3校について逐次刊行物をとおして生徒の卒業後の動向を探り、また、長崎と高岡についてはそれぞれの同窓会が所蔵する歴史資料についても調査を実施した。これら同窓会にかかわる歴史資料の調査・研究により、高等商業学校生徒の就職動向について、高等商業学校間の比較検討をし得る情況を整備した。
 上記②については、これまでかならずしも充分に把握できていなかった、彦根高等商業学校報道について確認することができたが、この調査・研究は本助成による計画を実施するうえでの按分を再検討し、ほかの研究資金によってそれを実施したので、ここでは省略する。
 上記③については、それぞれの高等商業学校の新聞報道について、国立国会図書館で閲覧可能な地域紙の調査を実施した。高等商業学校の報道を網羅した調査は、各高等商業学校を対象としていまだ充分には実施されていない情況にあり、しかも高等商業学校が運営されていた時期が長期にわたるため、今後も機会をみて継続してゆき、各高等商業学校の編集刊行物にはあらわれない学校情報を得ることとする。
 こうした作業をふまえて、複数の高等商業学校を比較したうえでの学校史についてもその展望を検討した。

結果発表

1.結果発表の時期 2019年度
2.結果発表の方法 Working Paper Series(滋賀大学)など


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