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高齢者および障害者のためのパーソナル・ナビゲーション・システムの拡張

社会システム学科  助教授 渡邉凡夫


 本研究者は従来より高齢者および歩行に困難を伴う障害者を対象とした、パーソナル・ナビゲーション・システムの設計に従事している。市販のナビゲーション・システムの多くは自動車を対象にしており、基本戦略が最短路計算を主とするダイクストラ・アルゴリズムである。しかし、本研究ではその主旨として「目的に応じて要求するルートが異なる」という前提に立ち、経路理解における認知負荷を抑える手法を提案している。具体的には経路の交差点での右左折を極力抑えたり、視認性を考慮したランドマークを選定する。その際、郵便局の赤やコンビニエンス店のイメージ・カラー等、色情報も手がかりとする。そのため基本道路データと都市景観の色情報が必要になり、下記要求物品として衛星画像データの入手を強く希望し、研究助成を申請した。本研究の成果はGIS関連学会にて定期的に発表を実施の予定であったが、それよりも規模も学術的意義も高い国際会議の場で発表する機会を得た。
 システム概要は以下の通りである。見知らぬ土地での経路理解はランドマークや道路交差点の名称の照合が実に難しい。目的地へ迷わず到達するには都市空間内の色・音・熱などを利用するのが得策である。そこで従来は国土地理院の縮尺デジタル画像や紙地図から道路データ抽出を実施していたが、人間の歩行の雰囲気を把握するため、色情報を含む衛星画像を利用し、地域でのナビゲーション支援の成果を吟味した。 
 本研究においては、対象データとして衛星画像を用いる点以外の基本部分は既に構築済であり、当該衛星画像を入手して後、すみやかな移植を実現した。その過程は、衛星画像からの書式を理解し、道路レイアの分離とランドマークの自動解析処理であった。初歩的なデータ加工部分の改良のみで間にあい、無事国際会議のデモンストレーションとして有効利用が叶った。購入対象地域を本学の所在地である彦根市とした。
結果発表
 結果発表の時期: 平成16年10月 国際会議ITS2004 一般テクニカルセッション 
 結果発表の方法: 国際会議ITS2004での口頭発表
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