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日本におけるラクビーの現状と課題(高校ラクビーを中心に)

社会システム学科  教授 三神憲一


 本研究は、日本における高校ラグビーの現状と課題について、縦断的にブロック単位で調査・研究を行うための一環として九州ブロックを中心に実施したものである。周知のように平成8年頃から顕在化している、わが国における高校生の運動クラブ参入率が特定のクラブ(野球、サッカーなど)を除いてゆるやかな低下が見られ、全体的には今日においてもなお続いている。特に競技内容からくるイメージやチーム編成上、多人数を必要とするラグビー競技においては、その傾向が顕著であり、問題はきわめて深刻である。このような状況下において、私自身の従来までのラグビー研究を基軸に、その総括と再検討を行うため、全国の都道府県をブロック別に分け、今回は九州ブロック、中でも多くの離島が点在する長崎・鹿児島を中心に、まずラグビー競技の強化・普及・振興の現状を聞き取り、特異性のある総合地域型スポーツクラブの現状と課題などについて、現場関係者と十分に議論を行い、今後の高校ラグビーの全体的な方向性を模索した。やはり、"百聞は一見に如かず"で、従来までの多くの調査・研究が形式的にその調査項目を作成し、それを依頼して、その結果を集計するという方法とは異なり、私自身が直接現場に赴き、関係者と様々な角度から議論した。中でも強化施策の問題については現場の世界的にも著名な外人コーチの日本ラグビーに関する貴重な意見を聞くことができた。また、少子化傾向とクラブ参入の問題や、形式的には徐々に浸透しているかに聞こえている総合型地域スポーツクラブの現状においては、行政と現場指導者の連帯問題だけでなく、地域住民の認識度の面においてかなりのギャップがみられた。また、その受け皿となる予算・施設・指導体制などにおいても、今後、クリアーしていかなければならない問題点が山積みしていた。今回の九州ブロックで体得したものは、次のブロック研究において十分にこの成果は生かされるものと確信している。この結果発表は、『彦根論叢』(第359号)に掲載する。
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